少女狂想

□04.『楽しい』
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ヨークシンに出かけていたフェイタンとレイラ。
気がつけば、太陽は頭上高くで燦々と輝いていた。


「いい匂いがする」
空腹を覚えて昼食でも取ろうとしたところ、レイラは匂いのする方へ行きたがった。

「お前こんなもの食べたいのか」
目の前には、大手ハンバーガーチェーンの看板。


中からは確かにポテトの美味しそうな香りが漂ってくる。
あんな大富豪の主人に飼われていたのだから、さんざん美味い物は食べてきていたハズ。


逆にこんなものが物珍しいのだろうと、ここで昼食を取ることにした。


レイラはポテトをかなり気に入ったようで、小さく微笑みながら、ほとんど一人で平らげた。
だがハンバーガーにはなかなか苦戦していた。

「馬鹿か!包みは取らないで食べるね!!」
「手…ベタベタする」

一気に包みを剥がしてしまったレイラの手には、ボトボトとソースやマヨネーズが垂れてしまっていた。


フェイタンがそれをナプキンで拭おうとするが、レイラは楽しいようで動いて上手く出来ない。

「じとしてるね!」
ぐいぐいと手を拭ってやりながら、なんだか今日は大声を出してばかりねとフェイタンは思った。
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