少女狂想
□02.『嫌じゃない』*
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長い口づけから、解放されたレイラはやはり変わらず無表情のままだった。
お互いの唾液のせいで誘うように光る唇だけが、なまめしかった。
「お前はワタシが見つけた獲物ね。
だから最初にワタシが頂くね」
フェイタンはそう言ってもう一度、今度は激しく口付けた。
何度も唇を貪るように吸い、息も荒くなってきた頃、フェイタンは乱暴にレイラをベッドに押し倒した。
それでもレイラの表情は変わらない。
それが少し面白くないフェイタン。
「悲鳴の一つもあげないか。
それとも諦めてるのか」
それによく分からないという顔をして
「何をするの?」
と変わらぬ口調で聞いてくる。
その言葉にフェイタンは目を見開いて
“まさか”と思う。
「お前…前の主人にこういた事されてないのか?」
と疑って聞いた。
「ない」
はっきりとレイラは答えた。
レイラのような少女は売られた場合、鑑賞用という名目で売られるが、その実体はたいてい慰みものとして扱われる。
なので、レイラの場合も間違いなくそういった事を何度もされてきたとフェイタンは思いこんでいた。
……アイツ、本当に鑑賞目的なんて、逆に筋金入りの変態ね………
と自分が殺したレイラの主人の顔を思い浮かべる。
自分と相容れない性癖にぞっとする。
何も理解していないレイラはただじっとフェイタンを見つめていた。
自分の欲望を見透かされているようで、少々面倒なことになったなと舌打ちした。
だが、ここでフェイタンが行為を止めたところで、いずれ他のメンバーの誰かにその体は暴かれるだろう。
自分の獲物を横取りされるのは面白くないもの。
「……最初だけ優しく抱いてやるね
慣れたら、楽しませてもらうね」
そう告げて、フェイタンは壊れ物に触れるように柔らかく口付けた。