進撃の巨人 夢小説文
□打ち明けるは心の不安
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『アクティーフ!!』
毎日、会いには来ていたから…久し振りの再会ってわけじゃないけど、朝から会うのは本当に久し振りだ。
名前を呼び、その首元に抱き付けば、ゆらゆらと尻尾を揺らしながら、鼻先を押し付けてくる。
『くすぐったいなぁ…よしよし、今日は夕方まで一緒にいようね!!』
私の言葉に満足そうに鼻を鳴らしたアクに笑いかけ、私はブラシを手に取った。
『…明日から、暫く会えなくなっちゃうね…』
ブラシでアクの毛を梳かしながら、ポツリの呟く。
…明日の午後から、私は訓練兵団の寮に行かなくてはならず、卒業するまで寮での生活になる…
もちろん、訓練で馬術もあるが…入団して半年は基礎知識を学ぶため、馬術はその後だ。
つまり、明日から半年…アクには会えないことになる。
『寂しいなぁ…不安だ…』
アクと離れるのは寂しい…
新しい場所で全く知らない人間と過ごすのは不安だ。
『…うまくやっていけるかな…?』
こうなると、如何にリヴァイ達の存在が私の中で変わったのかが分かる。
最初は敵意剥き出しだったのに…。
協力してほしいと言った彼等に手を組むだけだと言い…
仲間だと認めると差し出された手に、私が返したのはまたしても否定。
『…リヴァイ達には悪いことしちゃったよね』
…今では隣にいて当たり前の彼等にはとても感謝している。
『…ちゃんと伝えなきゃね』
他人に感情を伝えるのは苦手だけど、そこは言わなきゃダメだと分かっている。
『アク…私、頑張ってみるよ』
自分に言い聞かせるように言い、止まっていた手を再び動かせば、アクは気持ち良さそうに目を閉じた。