進撃の巨人 夢小説文
□過酷な一ヶ月を乗り越える
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眠ってしまった私が目を覚ましたのは、丸一日が過ぎた頃だった。
「やっと起きたか…」
「よっぽど疲れてたんだね?」
目覚め直後に鼓膜を揺らしたのは不機嫌そうなリヴァイと楽しげなハンジの声。
「さ、昨日、一昨日の分を取り戻すぞ…」
言いながらリヴァイは私の首根っこを掴み、引き摺り…
「こっちも溜まってるからねー?」
ハンジの声を背中に受け、訓練場へと連行された。
それからの一ヶ月は、なかなかにハードだった…。
5:00 起床
「さっさと起きろ…」
『え、早くない?まだ4時50分…』
「いいから、起きろ…」
『はい…起きます…だからサーベル降ろして…』
5:30〜7:30 ランニング・筋トレ
「…ペースが落ちたな…しっかり走れ」
『…巨人相手に走るって無駄じゃない?』
「いいから走れ…体力を付けるのが目的だ」
『…その手に持ってるのって、馬用のムチじゃ…』
7:30 朝食
「さっさと食え…」
『…今食べたらきっと吐くよ…』
「とにかく食え…身が持たねェぞ…」
『いや、ホントに…ちょッ何す…むぐッ…』
8:00〜10:00 立体機動の訓練
「普通は一年掛ける所をお前には一ヶ月で仕上げてもらう…」
『仕上げるまでなの?訓練兵団でもやるんでしょ?』
「俺が教えるんだ…やるからには仕上げる」
『…完璧主義者め…』
10:00〜12:00 格闘術
「ほら、掛かってこい」
『えっと、どうすれば…』
「…来ないなら、こっちから仕掛ける…」
『え、やり方とか、教えてくれないわけ?』
12:00 昼食
「早く食わねェと、また口に押し込むぞ?」
『食べる!食べるから!』
「一口が小っせェ…」
『お願いだから、ゆっくり食べさせて…』
12:30〜17:30 兵法講義
「この実験結果から得られた物が何か分かるかい?」
『えっと…巨人の痛覚はその個体により違いがある、とか?』
「その通り!!流石だね、なら次のも分かりそうだね…」
『実験ばかりじゃなく…戦闘法とかは、やらないの?』
17:30 夕食
「寝てないで食え」
『…あのさ…私、食べなくても死なないんだけ…』
「なんか文句あんのか?」
『…ありません、黙って食べます』
18:00〜20:00 自由時間
「今日も一日、お疲れ様…疲れたでしょ?」
『…そう思うなら、少しは訓練の量を減らしてよ…』
「ごめんね?そうしてあげたいのは山々なんだけどね…」
「一か月後には訓練兵団に入団するんだ…仕方ねェだろ」
『え?ホントに一ヶ月しかないの!?』
20:00 就寝
「明日も5時起きだからな」
『やっと今日が終わったのに…』
「そのうち慣れる…」
『…お休みなさい』
朝は5時前にリヴァイに起こされ、午前は彼が訓練全般を受け持つのだが…何というか、やり方なんて手荒だ。
午後からのハンジの兵法講義は、もはや実験の話しかしてくれない…
食事に至っては、疲れてそれ所ではない私の口に、リヴァイが無理矢理に押し込める。
寝る前の自由時間がアクに会える、唯一に時間だ。
一ヶ月…そんな毎日が繰り返された…。