進撃の巨人 夢小説文

□リヴァイに褒められる
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『えっ、何?浮いた!?どうすればいいの!!』


突如 感じた浮遊感にリヴァイを見れば、何やらハンドルを回し、私のベルトに繋がるロープを巻き取っていた。


「そう慌てるな…そのままでいい…その姿勢を保て…」


淡々と話すリヴァイに最初は戸惑っていた私だが…案外、簡単な事だった。

姿勢を保てと言われたものの、特に何をする訳でもなく…ただ、大人しくぶら下がっているだけ。

それに少し物足りなさを感じた。

飽きて、手足をじたばたと動かし始めた私に…


「遊んでんじゃねーよ!!」


とリヴァイの檄が飛び、すぐに地面に下ろされた…。















『さっきのってなんの意味があったの?』


リヴァイの部屋に戻り、立体機動装置の原理の説明を受けていた。

その合間に、ふとした疑問を聞いてみた。


「…適性検査って所だな…あれが出来ないと、立体機動装置はまず使いこなせない…」


教本を捲る手を一旦止め、説明してくれたリヴァイにふーんと軽い相槌を打つ。


「随分と興味なさそうだな…」

『…そんなことないけど…』

「…?」

『…少し拍子抜けだったかな…もっと扱いの難しい物だと思っていたから…』


小さく息を付きながら言えば、リヴァイは鼻で笑い言った。


「…そう言う意味ではお前、才能あるかもな…バランス感覚、耐G能力は申し分ない…」

『…ぇ?』

「ガキの癖に…すげぇよ…」


…私、今…リヴァイに…


『褒められた、の…?』

「あァ?」


きょとんと聞き返す私に、リヴァイは素っ気なくそっぽを向いた。


『…いつも無愛想で、冷静だけど粗暴で、他人を認めなさそうな、リヴァイが…!?』

「てめェ…」

『あ、ごめん…』


…悪口ばかりを並べてしまった…額に青筋を浮かべるリヴァイにマズイと思い謝るが…きっと今、私の顔は言葉にそぐわず、綻んでいるだろう…

ほら、その証拠に…


「レティ、てめェ…何ニヤついてやがる…!!」


リヴァイの眉間のシワが深くなった。


『…嬉しいものなんだね』

「…?」


自嘲気味な笑みを浮かべる私に、リヴァイは怪訝な表情。


『“褒められる”って…何て言うか、心が温かくなる様な…』


くすぐったいけど心地よくて…

照れくさいけど嫌じゃない…


『不思議な気持ちだなぁ…。……?』


漠然とした言葉を放つと同時に感じたのは、頭への重み…

それが手だと気が付くのに時間は掛からなかった。

髪越しにじんわりと伝わってくるリヴァイの体温が眠気を誘う…

重くなる瞼に必死で抗っているとリヴァイがフッと笑った。


「今日はもう休め…」

『…え?でもまだ…』

「煩ェ…俺はこれから会議だ…今日、やらねェとこは明日みっちりやるからな…」


分かったらさっさと寝ろ…と続けたリヴァイに言い返すことはせず、目の前の欲求に身を任せた。

一定のリズムで私の頭を撫でるリヴァイ…それも手伝ってか、私はそのままリヴァイに凭れ掛かる様な体勢で眠りについた。




 
 

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