進撃の巨人 夢小説文
□無知な少女に説教!!
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『………………なんか、頭痛いんだけど…』
なんでかな?と濡れた髪越しに後頭部に手をやるのは壁外から来たガキ…レティだ。
俺は例によって寝起きの悪いこいつを…文字通り“叩き”起こした。
いや、殴った…と言った方が正しいかも知れないが、仕方ない。
今日 立体機動の訓練をすると言うのは昨日の内から予告してあった…にも関わらず、起きる気配を見せなかったこいつが悪い。
…覚醒するまでの記憶が残らないこいつに、それを一々説明するのも面倒な為…
「…さぁな」
適当な相槌を返した。
『う〜ん…』
「………!!」
未だに唸り考えるレティに何気なく目を向け、俺は僅かに目を見開いた。
白い肌を火照らせ、首にバスタオルを掛けているこいつは、間違いなくシャワー上がりだ。
なので…当然、髪も濡れている訳で、その長い銀髪は普段よりも艶やかさが増している。
しかし問題はその足元だ。
銀色のそれを伝う雫は、重力に従いポタポタと落ちていく。
そしてそれは…あろうことか、俺の部屋の絨毯に染みを作っていた。
自慢じゃねえが俺は潔癖症だ。
これは兵団に属している者なら誰でも知っている。
その俺の部屋を汚すとはいい度胸じゃねえか…その肩のバスタオルは何の為に掛けてんだ。
…いや、今はそんな事を考えてる場合じゃねえ。
「おい、レティ…」
『…何?』
一刻も早く、その根源を絶たなくては…
「こっち来い…」
呼べば頷き来るあたり…根は素直なのだろう。
壁内に来た最初はどこか距離があり、真っ直ぐながらもその瞳には怯えが見え隠れしていた。
『どうしたの?』
しかし、今ではそれが嘘の様に堂々としてやがる…全員じゃないらしいがな…
「まずは髪を乾かす…説教はそれからだ…」
『説教!?私、何もしてない!!理由は?』
…よくそんな事が言えたもんだな…寝坊してるじゃねえか…絨毯も汚してるし、生意気だし…
「諸々だ…」
俺の言葉に何か返していたが、ドライヤーの音に掻き消された。