進撃の巨人 夢小説文
□ハンジ教官の兵法講義
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――人類は突如出現した“天敵”「巨人」により滅亡の淵に立たされた。
生き残った人類は、「ウォール・マリア」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・シーナ」と言う3重の壁を築く事により、辛うじてその命脈を保つ。
いつしか人類は巨人の脅威を忘れ、平和な日々の生活に埋没していた。
しかし、壁を築いてから約100年後…仮初めの平和は超大型巨人の一蹴りにより、崩れ去った…――
…なんて説明をされたのは、最初の1時間程。
「…でね!!その弾みで拘束具が取れて、シュリームドが暴れだしちゃってね…」
今、ハンジが話しているのは巨人の生態調査で行った実験についてだ。
何でも調査兵団は…巨人の生け捕りに成功しているらしい…。
「…やむを得ず殺した…」
次第に弱々しくなっていく声にハンジを見れば、その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
聞けばハンジは捕らえた巨人に名前を付けるらしく、シュリームドがそれだ。
「あの子には本当に悪い事をした…」
デスクに肘を付き組んだ手に額を当てるハンジを視界の隅に捉えながら、私は考える…
兵法講義って、戦い方の講義じゃないの?
確かに、巨人との戦い方を学ぶ前置きとして、その生態を知るのは大切だと思う。
けど、ハンジの話は専門的過ぎる気がする…
第一、シュリームドには噛み癖があるだの、痛みに敏感だの…本当に必要な情報だろうか…?
「レティ?聞いてる?」
『あ、うん…聞いてるよ。痛覚の実験でシュリームドの心臓に槍を刺したら、痛みに悶えて、拘束具が取れちゃって、暴れたシュリームドにハンジがとどめ刺したんでしょ?』
適当に相槌打って話聞いてた割にはちゃんと理解してたな、私。
「う、うん…あってる…」
聞き流されてるかと思ったと話すハンジ。
私がしっかり聞いていた事により機嫌を良くしたハンジは…この後、更に6時間…巨人について力説した。