進撃の巨人 夢小説文

□足の踏み場もない部屋
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…汚い!!!

案内されたハンジの部屋に足を踏み入れ、まず思ったのはこれだった。

床の至る所に乱雑に積み重ねられた、分厚い本の数々…

しかもそれは所々崩れていて、只でさえ少ない足場を更に奪っていた。

そして、追い討ちを掛けるかの様に残ったスペースを埋め尽くすのは資料であろう無数のプリント。

そんな文字通り…足の踏み場もない部屋をハンジは迷いなく進む…

その途中途中で何冊かの本を掴み取り、辿り着いたのはデスク。

冒頭から今まで、私はハンジの動きを目で追い掛けながら、入り口に立ち尽くしていた。

振り向いたハンジはそんな私に気が付き、一言…


「まぁ、座ってよ!!」


…え、何処に?

この部屋の何処に人が座れるスペースがあるのだろう…


「あっ…今、座る場所作るから…」


ハンジは呆然としている私を見て、ごめんごめんと笑いながら、ソファーに積んであった多数の本を落とした。

…まるで、埃でも払うかの様に容赦なく。


「さ、どうぞ!!」

『………うん、ありがと…』

「よし、それじゃ始めるよ!!」


ハンジはキラキラとした目を向け…先程、手にした数冊の本を苦笑いを浮かべる私の膝にボスッと置いた。

…声には出さないけど、結構な衝撃だった。

痛い…。


「…まず、巨人と言うのは――…」


私が手元の本を開けば…早速、訓練とやらが始まる。

調査兵団への第一歩…。







 
 

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