進撃の巨人 夢小説文

□ハンジの質問に頭を抱える
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お互いに名乗った後…一度、先程の部屋に戻る事となった。

アクを1人にするのは可哀想…そう思って、一緒に中に行こうと手綱に手を掛ければ、リヴァイに阻まれた。


「アクティーフ…だったか?こいつは大丈夫だ。他にも馬がいるから寂しくはねえだろ…」


確かに…見た目は違えど周りには馬が沢山いる。今までずっと私と一緒だったアクが友達を作るいい機会かもしれない…私は少し考えてから頷いた。


『そうだね…アク、また後で来るから…』


そう言い残し、エルヴィン、リヴァイと部屋に戻った。


「私はハンジ・ゾエ…調査兵団の分隊長で主に巨人の生体調査をしている…よろしくね、レティ!!」


そこで待ち構えていたのは最初に質問攻めしてきた眼鏡の女性。

エルヴィンに言われ自己紹介をすれば、何ともハイテンションな声が帰ってくる。


「いねぇと思ったら、俺の部屋にいやがったのかクソメガネ…」

「いや…レティがお腹空かせてるんじゃないかと思ってね…食事を貰いに行ってたんだ…」


リヴァイの毒をハンジが軽く受け流す…その手にはトレイに乗せられたパンとスープ。


「そうだな…食べるといい…」


それらを私の目の前に差し出すハンジの横でエルヴィンもにこやかに頷く。

…実際、お腹は空いているけど、先程の説明で壁内は食糧難だと言っていた筈…私なんかが食べるのは申し訳ない…


『いらない…食べなくても平気だから…』

「あれ?そう言えばさ…レティって壁外では何食べて暮らしてたの?」


壁外にも食料になりうるものがあるのか…ハンジにとっては、些細な疑問だったのだろう…唐突に聞いていた。


『…えっと、それは…』


何て言えばいいんだろう…今まで生きてきて、まともに何も食べてない事に今気付いた。

何せ、私の生まれた村での私の扱いは奴隷以下…原因は私の持つ特異体質。

1歳で化け物と罵られ、馬小屋に幽閉されていた…勿論、食事なんて貰えず、その代わりに昼夜問わずの暴力を受けた。

そんな村も巨人に襲われ、私も致命傷を負いながら、同じく馬小屋にいたアクティーフを連れ逃げ延びた。


「レティ?」


名前を呼ばれた事で私の意識は現実に引き戻され、いつの間にか俯いていた顔を上げれば、ハンジに覗き込まれていた…今は感傷に浸っている場合じゃないよな…

何て答えるか考えなきゃ…本当の事を言えば、引かれる…またあんな目で見下ろされるなんて嫌だなぁ…なんて私が考え込んでいたその時…


「レティ…お前が壁外で生きていた時点で、既に俺達の知っている常識が通用するとは思ってねーよ…お前の過去に興味はねえが、人間が怖いんだろう?俺達の常識が通用しない様に、お前の人間に対する認識も通用しねえ…お前の知る人間と俺達が同じだと思っているのなら大間違いだ…」


なかなか答えない私にイラついたのかリヴァイが口を開いた。

もっと暴言を吐かれると思ったけど、口調の割りに言ってる事は優しい…

どんな真実も受け止める…リヴァイの目はそう言っている様にも見える…。

まだ少し怖いけど、一歩踏み出す事も必要だ…もしダメだった時はアクを連れてまた逃げよう…

答えは決まった。






 
 

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