進撃の巨人 夢小説文
□馬に見極められる
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『アク!!』
馬小屋に着き、例の馬を視界に捉えた少女は微かに目を見開くと馬に駆け寄り、その首元に抱き付いた。
『無事で良かった…怪我してない?痛いとこは?人間達に何かされたりしてない?』
その声色は焦りも含まれていたが、とても優しいもので…俺達に対してのとはえらい違いだ…
馬は馬で少女に鼻を擦り付け甘える様な仕草をする…かと思えば、次には何かを伝える様にじっと少女の目を見る…
「人聞き悪い事言ってんじゃねーぞ…」
居心地の悪さに多少毒吐けば…
『…悪かったよ…あなた達の事、少し誤解していた…』
何とも素直に謝罪の言葉を述べる。
何だ…この態度の違いは…そんな事を思っていると…
「さっきとは随分と態度が違う様だが?」
同じ事を思ったのだろう…エルヴィンが質問していた…
『…さっきは敵だと思ってたから…』
「今は違うと?」
『…えぇ、敵じゃないのは分かった…』
エルヴィンの更なる疑問に少女はコクリと頷き答える。
敵じゃない…それは何で判断したんだ?
『アクが教えてくれた…あなたが私を巨人から助けようとしたって…』
そんな俺の疑問が分かったのか…少女は馬の鬣を撫でながら俺をチラリと見て言った。
『この子は人間を見極める事に長けてるの…そしてあなた達は無害だと判断した…』
馬に判断されたってーのは些か腑に落ちないが…まぁいい…後はエルヴィンがどうするかを決断し、俺はそれに従うだけだ。
「そうか、我々を敵ではないと認識した…と言う事は力を貸してくれると受け取っていいのか?」
『…そうだね…まだ信用した訳じゃないから、協力と言うよりは手を組むと言った方が正しいかも…』
「十分だ…信用するにはまだお互いに知らないからな…」
どうやら話しが纏まったらしい…
「私はエルヴィン・スミス。さっき話した調査兵団の団長を務めている…そして…」
エルヴィンは名乗ると俺に目で合図をしてくる…名乗れと…
「リヴァイだ…エルヴィン同様、調査兵団で兵士長をしている…」
『私はレティ……レティ・バトレージュ。こっちは私の親友で相棒のアクティーフ…よろしく…』
レティと名乗った少女の表情は先程と比べて、心なしか柔らかい様に見えた…。