進撃の巨人 夢小説文
□真っ直ぐな瞳に見据えられる
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…あぁ、最悪だ…
目覚めてまず思ったのはこれだった。
そして次に浮かぶのは様々な疑問…
ここは何処なのか?
私は何故、寝かされて…傷の手当てをされているのか?
私を捕まえた空飛ぶ人間は何者なのか?
いや…そんな事はどうでもいい…それよりアクは?
アクは何処にいるの?
やけに重い身体とうまく働かない頭で考えているとガチャリと扉の開く音が聞こえた。
目だけをそちらに向ければ、入って来たのは同じ様な服を纏った人間が3人…
その中には私の意識を闇に沈めたであろう男もいた。
「あ、目が覚めたんだね?気分はどう?君、名前は?何処から来たの?」
『………』
何なんだこの質問攻めは…聞いてくるくせに答える暇を与えない……まぁ答えるつもりもないのだけれど…
話を止めない眼鏡の人から目を反らし、他の2人に殺気混じりの視線を向けてみた。
1人は金髪で背が高い…もう1人は黒髪で小さい。
「まぁそう睨まないでくれ…私達は君に危害を加えるつもりはない…」
金髪はそう話すが、私をここに連れて来た時点で私にとっては危害だと思う。
「君の出方次第では私達は君を歓迎するつもりだ…」
人間に歓迎されても嬉しくない…嫌いなのだから…
私が小さく溜め息を吐けば、金髪は苦笑いを浮かべ、話を聞いてくれと言った。
それからはよく分からない話を聞かされた…。
巨人の侵入を阻む為に巨大な壁を築き、生き残った人類はみんなここで暮らしているらしい。
彼等は危険を承知で壁外に行く活動をしていて立体機動装置と言う物で空を飛ぶとか…
そして最後に…
「君にも力を貸して欲しい…」
そう言い私を見つめる目は今まで見てきた人間の目と違って見えた。
純粋に綺麗だなぁ…なんて思う私にはまだ少し余裕があるらしい…。