進撃の巨人 夢小説文
□白銀の少女を捕まえる
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討伐した巨人から例の人物に視線を移せば、そこにいたのは…長い銀髪と金色の瞳が特徴的な…10歳にも満たないであろう幼い顔立ちの少女。
しかも見慣れない黒く小さな馬に乗っている…。
更にここは1年前から巨人の領域…何故、壁外に餓鬼がいるんだ…
そんな事を考えていた俺は大丈夫か?と続く筈だった言葉を呑み込み、思わず…
「てめぇ…何者だ…?」
自分でも分かるくらいにどすの利いた声だった。
『…ぁ、』
一方の少女は驚いているのか目を見開き、小さく声を漏らす…そして…蚊の鳴く様な声で、
『…人間?』
そう呟くと、今度はハッとした様に手綱を握り直した…すると
『…逃げよう、アク!!人間だ、人間がいる!!』
半ば叫ぶ様に言い、馬を全速力であろうスピードで走らせた。
だが壁外で生き延びている人間を…
人類に有益な情報をもっているかもしれない人間を…
みすみす逃がす訳にはいかねえ…
直ぐ様、俺も自分の馬に跨がり走らすが…何だあの馬、異常なほど速い…調査兵団の馬だってそれなりの速さを誇っている…
馬で追い付けないなら仕方がない…俺は軽く舌を打ち、立体機動に移った。
…乗馬してる人間を立体機動でかっ拐うなんざ、正直やったことねえ…ましてやあのスピード…
だがまぁ、死ななければ問題ないだろう…
ラッキーな事に少女は逃げるのに必死で後ろを振り向かない。
旧市街の建物を活かして、アンカーを突き刺し…少女に近付く。
『きゃッ!?』
一気にガスを吹かすと同時に後ろから少女を抱え、屋根に飛び乗る。
着地の際、瓦礫の破片で少女が怪我をするも、膝を擦り剥いた程度だ…問題ない…。
早いとこエルヴィンと合流したいな…だがその前に俺の腕の中で暴れ狂うこいつを何とかしよう…
『…離せッ!!』
暴れる小さな身体のうなじ目掛け、剣の柄を降り下ろせば、呆気なく気絶した。