進撃の巨人 夢小説文
□プロローグ
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――451年…人類がウォール・マリアを放棄した翌年…今では巨人の領域と化したそこを…
『…廃墟?そう古い様には見えないけど…生きてる人間とかいるのかな?』
長い銀髪に金色の瞳を持つ一人の少女が、漆黒の小柄な馬に跨がり歩みを進めていた。
『もし生きてる人間がいたら……』
少女が馬に声を掛けながら、鬣を撫でた所で…聞き慣れた足音が少女の鼓膜を震わせた。
『…アク…少し走ろう…』
視界の隅に巨人を捉えた少女は大して焦る様子も見せず相棒の名を呼び、軽く手綱を引いた。
エルヴィン・スミス率いる調査兵団は大部隊の行路を築き、ウォール・マリアを奪還すべく壁外調査に乗り出していた。
「…ったく、邪魔だ…」
人類最強と称される兵士長・リヴァイが毒吐きながら、2本の刃を駆使し、巨人のうなじを削いでいく。
民家の屋根に着地し、絶命した巨人を見下ろしていた時、それを見つけた。
「…何だあれは…?」
10m級の巨人が何かを追い掛けている…その先に視線を向ければ、馬に乗り巨人から逃げる人間の姿。
透かさず立体機動装置を操り、そこへ向かう。
ザシュ…
事切れた巨体がズシンと倒れる。
「オイ、お前…」
追われていた人物が突如消えた足音を不思議に思い、馬を止め振り返ったのと…リヴァイがその人物に声を掛けたのはほぼ同時だった。