鬼灯の冷徹 夢小説文

□タクシー騒動
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出張を終えた鬼灯は閻魔殿へ戻るべく、バス停へ立ち寄っていた。


「…丁度いい時間はありませんね…」


しかし、次のバスでも一番早くて、1時間後だ。


「タクシーで帰りますか…」

『鬼灯様ッ!!』


鬼灯が懐中時計を取り出し、そう呟いたところで聞こえた明るい声と、背中に感じた小さな衝撃。

その声に反応し、弾かれた様に顔を上げ、振り返る鬼灯。


「おや、シオン?確か今日は半ドンの筈では…?」

『はい、なので今日はもう上がりました!!』


案の定、視界に映るシオンは、鬼灯の背中にくっついていた。


「では何故ここに?買い物ですか?」


鬼灯はそんなシオンに向き直り、首を傾げる。


『いえ、そろそろ鬼灯様が帰ってくるかと思って…迎えに来ました!!』

「そうですか、ありがとうございます。しかし…すみませんね。折角、午後からお休みなのに…」


笑顔でこちらを見上げるシオンの頭を、鬼灯が感謝の意を込め、ぽんぽんと撫でる。


『…違うんです、何というか…いつもいる方がいないと、何だか寂しくて…』

「…ッ!?(全くこの子は…どうして、こんなにも私の心を掴むのが上手いのか…)」


困った様に笑うシオンに、鬼灯の手が止まった。


「…帰りましょうか…」

『はい!!』


ふっと息を吐いた鬼灯の言葉にシオンが頷き、2人はタクシー乗り場へと足を進めた。






 
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