鬼灯の冷徹 夢小説文
□茄子とのデュオ
2ページ/3ページ
シオンは執務室に籠もり、ひたすら書類の処理をしていた。
『この決算書、計算間違ってる…直さなきゃ…』
赤ペンを執り訂正を施したり…
『あれ?この書類は2枚組の筈なんだけど…』
数ある書類の中から目的の物だけを探したり…
…時折、聞こえてくる閻魔が亡者を叱咤する声に、大王も頑張っているのだと、小さく笑い…
気付けば…
『私、さっきから独り言多い…!!』
そんな自分に溜め息を吐き、ふと視線を上げると…
「「…………………」」
『唐瓜くん、茄子くん!!いつからそこに…?』
入り口の付近でオロオロしている2人を視界に捉えた。
「すみません…ノックは何度もしたんですけど…」
「何かシオンさん話してたから…声掛けにくくて…」
『(聞かれてた…//!!)』
独り言を聞かれてしまった恥ずかしさに赤面し、困ったように笑う。
『執務室に籠ってるとどうしてもね…今のは忘れてね?』
「えー…可愛かったのに…」
「コラ茄子!!…すみません…それで用事って何ですか?」
頷かない茄子を唐瓜が軽く咎め、シオンに話を聞く。
『あ、そうだった…お願いがあってね…』
そう…この二人が執務室に来たのは、他でもないシオンに呼ばれたからなのだ。
『実は三途の川から賽の河原までの掃除を頼みたいの…』
申し訳なさそうに言い、シオンはデスクの引き出しを開けた。
『掃除用具は保管庫の使っていいから…これ鍵ね?』
「分かりました!」
「頑張ります!」
保管庫の鍵を渡すシオンに二人が意気込む。
『時間掛かると思うから、掃除が済んだら、報告だけして…そのまま上がっていいよ』
元気よく返事をした二人を見送り、シオンは再び書類に向かった。