鬼灯の冷徹 夢小説文
□鬼神と神獣の確執
1ページ/3ページ
『こんにちは!!』
「あ、どうも、シオン様」
この日、シオンが訪れていたのは記録課。
『これ、使用済みの巻物です。それから…明日、裁判が行われるこのリストの巻物を借りていきますね』
「今日は、鬼灯様とご一緒ではないんですね」
『えぇ…今、天国からの使者が来てるので、鬼灯様はそちらの対応をしています』
シオンと何気ない会話をするのは、記録課の主任・葉鶏頭。
そうですか、と返した葉鶏頭はリストの巻物を取りに、奥の記録保管庫へと向かった。
数分後に戻ってきた葉鶏頭の手には、十本の巻物。
それを見たシオンが首を傾げる…。
『あれ?リストには八本しか…』
「あ、いえ…こちらの二本は違います。図書室の保管庫へ返却するもので…」
『そういうことですか…もし良ければ、私が持って行きましょうか?』
巻物を受け取りながら、提案するシオンに、葉鶏頭がえ?と声を上げる。
「いいんですか?シオン様もお忙しいのでは?」
『大丈夫ですよ。それに図書室の管理も私の仕事ですから』
「あァアーーー!!」
シオンがそう微笑んだ所で、記録室の方から聞こえて来た、叫び声…。
続いて聞こえた、狂ったような笑い声にシオンが固まる。
「では、お願いします」
そんなシオンの隣にいた葉鶏頭は、二本の巻物をシオンに渡すと…一礼し、声のする方へと引っ込んで行った。
『今度、鬼灯様に相談してみよう…』
ポツリと呟いたシオンは、図書室へと向かった。