ONEPEACE 夢小説文

□妖精の一族
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――…人間に知識を与えたとされる、妖精の末裔。


尖った耳を除けば、人間と何ら変わりない容姿を持つ…。


しかし、その身に宿した力は、強大で…能力によっては世界をも取れる。


ある者は土…またある者は風…


能力はそれぞれ違うが、どれも自然界に存在するモノを司っている。


…と言っても、力を宿せるのは純血種のみ…それも全員ではなく、稀に存在する程度…


現在、確認されている中で、生き残っているのは1人だけ。


そんなエルフを政府は保護したいと、身柄を引き渡すよう命じるが、それは表向きの話でしかなく…


真の目的はエルフを政府の名の元に管理し、その能力を利用すること。


勿論、それを良く思わなかったエルフ達は、政府の要請を断固拒否。


やがて、痺れを切らした政府は強硬手段として、力を持つエルフの首に賞金を懸けた。


しかし、力を宿したエルフの存在が易々と世間に広まれば、悪用され兼ねない…


…それを恐れた政府は、地位や名誉に関心のない、極一部の賞金稼ぎにのみ情報を公開した…


手配書にしては珍しい、“ALIVE ONLY”の文字と驚愕の高値に、賞金稼ぎは血眼でエルフを探した。


そんな悲惨な運命を辿ったこの一族に唯一の利点があるとすれば…


天竜人を傷付けても、罪にならないと言うこと。


人間に知識を与えたとされるエルフは、時に世界最高権力をも凌ぐのだ――。












『…それが、私達…エルフ族…』


一通りの説明を終えた私は、空に視線を彷徨わせた。

ベポや船長さん達は、どんな反応をするだろう…第一、戦闘になったとして、私が勝てる相手なのか…


「そうか…お前がエルフ…」


そう呟き考え込む船長さんが、ふと私に視線を向け言った…。


「ミシェルよ…お前、おれ達と来ないか…?」


ニヤリと笑う船長さんの言葉に、頭の中がぐちゃぐちゃになる…

…この人は何を言ってるんだろ…

他の海賊や海軍なら、命令口調に“来い”と言う…選択の余地なんて与えてくれない…

でも、この人は疑問形で言った“来ないか?”と…私に選ぶ権利を与えてくれている…

他の人間達とは違う…トトさんに近い部類の人間なのかもしれない…


『船長さんが悪い人間じゃないのは分かりました。ベポが一緒に旅をしているのも、何か分かるよ…でも、一緒には行きませ…』

「あと9日…」

『え?』


私が言い終わらない内に、船長さんが口を開き、私は何のことか分からずに、素っ頓狂な声を上げた。


「おれ達がこの島に留まる期間だ…」

『…そうですか』

「おれは海賊だ…」

『はぁ…』


船長さんの意図が掴めず、更に首を傾げる。


「欲しいモノは必ず手に入れる…残りの9日で、必ずお前を頷かせる…!!」


船長さんの獲物を射るような目に、私は視線を逸らせなかった。

海賊らしい言葉なのに、いつもの嫌な感じがしない…

すごく不思議だ…。


「今日は帰る…明日から覚悟しとけよ…?」


そう言い、席を立った船長さんに続き、明るい声でまたねと笑うベポがその後を追う。


「船長に目ェ付けられるなんて…」

「アンタも大変だな…」


更にその後を追う、シャチさんとペンギンさんが店を後にした。








 
 

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