ONEPEACE 夢小説文
□悪人に制裁
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ドアを蹴破った男達に修理代を請求したら、逆ギレされた。
「てめぇ、ふざけてんのか!?俺達を知らねぇわけじゃあるまい?」
「俺達の船長は530万ベリーの賞金首、黒ネズミのハーベット様だぞ!!」
私は真っ当なことしか言ってない筈なのに、怒鳴り返された。
しかも何…?
『530万ベリーの?』
黒ネズミのハーベットって…
『そんな小物、知りません!!』
しれっと言い放つ私に男達の顔は青ざめ…視界の隅に映る船長さんはクツクツと喉を鳴らしているが気にしない。
『でも、そうですね…』
よく考えたら、簡単じゃないか…
『なら、修理代は…』
払う気がないのなら…
『貴方の首でいいですよ?』
狩ればいい…
ちょうど明日は海軍が来る…換金はまたトトさんにお願いしよう。
久々の悪役登場にお客さんも盛り上がってきたらしい。
「ミシェルはなァ、ああ見えて…その辺の荒くれ者なら、簡単に倒しちまう…ウチの用心棒さ!!」
トトさんが船長さんにそう言った所で、部下の一人が剣を抜いた。
「この女…舐めやがって!!ウチのボスを小物呼ばわりだとッ!!?」
そして男は剣を振り翳し、私に目掛けて…
―バキッ…
「ぐぁッ!!?」
降り下ろす前に、私の回し蹴りを顎に受け失神する。
「やれやれー!!」
「やっぱ強ェーな!!」
同時に聞こえるお客さんの歓声を背に受け、男達の前に立つ。
『先に仕掛けてきたのは、そっちだから…あまり手加減は期待しないで…』
冷ややかな視線と共に言葉を発した私に、青筋を浮かべた男達が一斉に襲い来る。
「このアマ!!調子に乗りやがって!!」
「後で泣いても許さねぇぞ!!」
叫びながら剣を振り下ろす男達…だが、既にその剣の先に私はいない。
―ベコッ…!!
振り下ろされた剣は、お店の床に穴を開けた…
扉だけじゃ飽き足らず、床までも…私の内心は怒り心頭だ。
…絶対、海軍に引き渡してやる!!
密かにそう誓い、私の姿を探す男…その内の一人の背後に回り込んでいた私は、何の躊躇いも無く無防備な背中に蹴りを叩き込んだ。
「ぎゃッ!!?」
男が吹っ飛んだお陰で、他の奴らは私の存在に気付く。
「そんなとこに!!」
「後ろからコソコソと卑怯な女め!!」
海賊が卑怯とか言うわけ?
…盛大な溜め息を吐き、先ほど蹴り倒した男が持っていた剣を拾い上げる。
『海賊に卑怯とか言われたく無いけど…前からならいいわけだ。…殺しちゃっても…』
「「「ッ!!?」」」
剣の先を男達に向け、殺気と共に冷たい目で睨みつける。
…剣はあまり使い慣れないけど…こいつら程度に能力なんて使いたくないしね…
―ザシュッ…
私の視線に冷や汗を流し、動けずにいる男達を次々に斬り伏せていく。
…数秒後には立っているのは私とハーベットのみ…
ドサリと音を立てて崩れ落ちた最後の部下を見て、彼等のボスは青ざめる。
「か、金なら払う!!だから…頼む、見逃してくれ!!」
私により剣を喉に押し当てられているこいつは、震える声で懇願している…。
『もう遅い…そっちが仕掛けてきた時点で、その選択肢はありえない…』
背を向け逃げ腰のこいつがリーダーだなんて…弱いなりにも立ち向かってきた部下達の方が勇敢だったよ。
チャキっと剣に力を込める私を見るなり、男は私を押し退け、入り口へと向かう…
『逃がさない…』
「…ッ、ヒィ!!?」
逃げる男の前に回り込み、そっと男の腹部に掌を当てる…。
「…?……がはッ…!?」
直後…吐血し、白目を向いた男は膝を付き倒れる。
『トトさん、ごめんね…床汚しちゃった…』
出来た血溜まりに目を向け、トトさんに謝れば…気にするなと笑ってくれた。
「…飲み直すぞ、今日は全員オレからの奢りだ!!」
トトさんの言葉にみんなが喜びの声を上げる。
そんな中、船長さんが探るような視線で私を見ていたことなど、私は知る由もない。