ONEPEACE 夢小説文
□シロクマの正体
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ハートの海賊団を一目見るべく港を訪れた私…そして見つけた2隻の海賊船…。
1つは黒いネズミ(?)の様な船首が特徴のキャラヴェル船…
もう一つは少し離れた所にある、黄色を基調とした潜水艦で、その側面には笑顔を連想させるジョリーロジャー。
「君、さっきからそこで何してるの?」
…正直、どっちがハートの海賊団かなんて分からない…
「…ねぇ…!!」
船員に聞くと言う選択肢も無くはないが…相手は海賊。
『…んー…どうし「ねぇってばぁ!!」…ひゃうッ!!?』
腕を組み、どうしようかと目を瞑り唸る私…その時、すぐ近くで聞こえた誰かが誰かを呼ぶ声に何事かと目を開くと…。
…目の前には、私の顔を覗き込む…シロクマちゃん。
そうか…さっきの声は、このシロクマちゃんが私を呼ぶ声だったんだ…。
え、シロクマ!? 私、今シロクマに顔を覗き込まれて…いや、その前に…喋っ……あ、違う…あれだ。
このシロクマちゃんは誰かが仮装しているに違いない…。
そんな答えに辿り着いた私の頭は、冷静に働き、営業スマイルでシロクマちゃんに問い掛けた。
『あの…何か?』
「あ、えっと…さっきからずっとそこにいたから…どうしたのかなって思って…」
シロクマちゃんは、私の態度の変わり様に戸惑いながらも答えてくれた。
仮装してるってことは、このシロクマちゃんはこの島の人か…
港にいるんだし、どっちが私の探している船かくらい知ってるかも…。
『…聞きたいこと、あるんですけど…』
「聞きたいこと?」
『ハートの海賊団の船って…どっちか分かりますか?』
なぁに?と小首を傾げるシロクマちゃんに、思い切って聞いてみた。
「……………」
『……………』
「……………………」
『……………………』
…何…この長い沈黙…。
私、何かマズいことでも言ってしまったのだろうか…
『…あの…』
予想外の沈黙に不安を感じた私は、おずおずと声を出す。
「あ、ごめんね!?…いきなりそんなこと聞くからビックリしちゃった…」
私の不安そうな声音にシロクマちゃんは慌てたように謝ると、頭に手をやり何故か照れた笑いを零した。
シロクマちゃんの笑う理由が分からずに、首を傾げていると…
「…質問に答えてなかったね。オレ達の船はこっちの潜水艦だよ!!」
そう言いふわふわの指で差すのは、黄色い潜水艦…。
…というか今…聞き捨てならない言葉が聞こえた気が…。
『…“オレ達の船”?』
聞こえた言葉を恐る恐る反復すると、返って来たのは眩しいくらいの笑顔と肯定の返事だった。