ONEPEACE 夢小説文
□噂の海賊団
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私がグランドラインを旅するようになってから6年…そして、ここソーカ島で暮らし始めてからは、半年が経った。
「ミシェル!!今日は酒の仕入れもねえから、たまには遊んできたらどーだ?」
そう話すのは、私がお世話になっている酒場の店主…トトさん。
島に来た当初、怪我を負い倒れていた私を助けてくれた恩人…。
…よそ者で得体の知れない私に、トトさんはとても良くしてくれたのだ。
最初は警戒していた私も、いつしかトトさんの人柄に惹かれ、酒場の2階に住ませて貰っている。
それ以来…私はトトさんにお世話になる代わりに、酒場の手伝いをしている。
「ミシェル?聞いてるのか?」
思い出に浸っていた私をトトさんの声が現実に戻す。
『うん!!じゃあ、お言葉に甘えようかな?』
私がそう言えばトトさんは満足気に笑い、私の頭にその大きな手を乗せわしゃわしゃと撫でると…俺は買い物に行ってくると店を出た。
折角の休みを部屋で過ごすのも勿体無いから…特に用事があるわけでもないが、この酒場のある裏通りから、思い切って町の表通りに出てみた。
…町に来たはいいけど、どうしようかな?なんて考えていると…
「あら、ミシェルちゃん!買い物かい?」
『…こんにちは!!今日はお休みで!』
声を掛けてきたのは肉屋のおばちゃん。
この町の人はみんな優しい…1年を通して仮装が行われる町だけど、元々の住民はそんなことしない…
やっているのは後からこの島に来て住み着いた人達だけだ。
「あ、そういや聞いたかい?ミシェルちゃん!!今この島に海賊が来てるらしいよ?」
『へぇ…また来てるんだ?』
思い出したかの様に話し出したおばちゃんに私は素直な感想を述べた。
…海軍が来ないこの島は、海賊にとっても打ってつけ…その為、海賊の上陸は結構 頻繁だったりする。
「何でもハートの海賊団って言うらしくてね?」
『ハートの…?』
随分と可愛らしい名前だな…ちょっと気になるじゃないか…。
その後も続いたおばちゃんの話しに耳を傾けること3時間…
『…じゃあそろそろ…』
「あらやだ、もうこんな時間?長く引き止めて悪かったね…」
『…大丈夫。色んな話が聞けて楽しかった…ありがと!!』
お昼時と言う事もあり、お店が混んできたため…私は肉屋を後にした。
「あ、ミシェルちゃん!!これ持ってきな!!」
『…?』
…去り際におばちゃんがくれた揚げたてのコロッケを頬張りながら、私は港へと足を延ばした。
ハートの海賊団とやらが気になって仕方がなかったのだ…。