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□ポッキーの日
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「なーぐーもー君!あーそーぼ!」

小学生が友達を呼び出すように、私は南雲君の部屋のドアを叩きながら南雲君を呼び出す。

「なーぐーもーくーん!」

中々出てきてくれない。しかし私は諦めるという事は毛頭無い。ドアを叩きながら彼を呼び続ける。
勝手に中に入るという手段もあるけれど、それだけは避けたい。下品な話、もしもナニをしていたらお互いが気まずくなるからだ。

「…うるせえな、俺寝てたんだけど」
「やーっと開けてくれた!南雲君のせいで手が少し痛くなっちゃったよ」
「え、それ俺のせい?」

目を擦りながらドアを開けた南雲君は、私から見ても寝起きだという事が分かった。しかし気にせずに私は彼の部屋にズカズカと入る。いつもの事だから、南雲君も気にせずにベッドに座る。私は近くにあった赤いクッションの上に腰を下ろす。ちなみにこのクッションは去年私が彼の誕生日にあげた物だ。

「じゃーん!見て南雲君!ポッキーだよ‼」
「ああポッキーだな…」
「…ノリ悪」
「ああポッキーだなあ!大量の‼」

私は南雲君と自分の間にスーパーの袋にパンパンに詰まったポッキーをドサリと置く。この大量のポッキーは四割照美君から貰い、四割涼野君から貰い、残り二割を自分で用意したのだ。ちなみに種類は沢山ある。

「しかも全部ポッキーじゃねえか」
「でも味は沢山あるよ。ノーマルポッキーとか苺味のポッキーとか」
「結局はポッキーじゃん。プリッツとかねえの?」
「馬鹿‼」
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