short

□マラソン
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「それじゃあ、今から男子は5q女子は4q走るぞ。俺は最前で走って、風丸先生には最後尾を走るからな」
「俺に抜かれないように頑張れよ‼」

円堂先生と風丸先生の話しで皆が意気揚々とする中、私はブルーな気持ちになった。
今は体育の授業で来週のマラソン大会に向けて練習をするところだ。
私の通っている学校は、運動部が盛んでクラスのほとんどが運動部だ。しかし私はバッチリ文化部であり、運動何て体育以外にしない。
別に私は運動が嫌いな訳では無い。ただ、運動や体力が人並み以下なだけだ。
だから、私はクラスの中でいつも体育の実技の成績は1番下だ。
だから今日のマラソンもビリだろうな…

皆がスタートの位置に並ぶ。私の友達は最前列に並んでいるから、私は最後尾に並ぶ。そこまで張り切っているわけでもないし、友達は運動部だから、開始早々置いていかれてしまう。だから私は最後尾で良いのだ。
円堂先生の合図を待つ中、私は緊張して少しお腹が痛くなる。

「名字、大丈夫か?」
「風丸先生…」


上から声が聞こえて、少し見上げてみると風丸先生がいた。
風丸先生とは1年生の時にクラスの担任として知り合い、今でも仲良くしてもらっている。

「全然大丈夫じゃあ無いですよ。またビリになると思うと…」
「ははっ大丈夫だって。俺が後ろで走るからビリにはならないぞ」
「確かにそうですね…」

風丸先生が私の近くにいてくれると思うと、嬉しくなる。私はなるべく、それが表情に出ないよう相槌を打った。
今の言葉で分かっただろうけれど、私は風丸先生に恋愛感情を持っているのだ。
しかし生徒が教師に恋愛何てしてはいけない。きっと一生、片想いのまま終わってしまうだろう。
そんな事を考えているうちに、尚更気分が暗くなった。

「よーい…スタート‼」

円堂先生の合図で走り出す。

やっぱり皆速いな…と思いながらも私も走り出す。
隣にいた風丸先生も、それじゃあ行くか、と言い私の少し後ろで走り始めた。
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