進撃の巨人
□ヤキトルモチ
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「ライナーライナー、ちょっとここわかんない」
そう言ってライナーに、小走りで駆け寄るのは僕の彼女マテリア
マテリアは僕の彼女なのに僕よりライナーといる方が多い…気がする
ようは何かというと「ヤキモチ」を妬いているのだ…
ライナーばかり頼らないで僕をもっと頼って欲しいのに…
「あぁ、ここはこうだ…」
「あっ!そっかー!ありがとーっライナー頭いいねーっ」
仲良さげに体を寄せながら勉強する二人を僕は遠巻きに見つめる事しか出来ない
だってライナーを困らせたくないしマテリアに嫉妬深い男だって思われたくない…
「ベルトルさん眉間にシワよってるよ」
ユミルに、そんなことを言われ自分の眉間に手を当てる
「僕って最低だ…」
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「ん…らいな…?」
夜中に目を覚ました僕はライナーが居ない事に気づいた
「トイレかなぁ…?」
まぁライナーも人間だし夜にトイレくらい行きたくなるだろう…そう思ってあまり気にとめずもう一度眠りについた
しかし、朝起きて食堂に行ってみれば「ライナーとマテリアが夜中こっそり会ってた」と言う話題で貸し切りだった
僕は真偽を確かめるべくしてライナーの方を見る
なんてことだ。
あのライナーが頬を赤く染めて居るではないか
「困ったな…」
ポリポリと頭を掻くライナーに僕はなんとも言えない顔になる
ライナーは僕たちが付き合ってる事知ってるよね?知っててそんな態度をとってるの?
もしかして僕、捨てられたの…?
「らいなぁあああああ!!!!」
ドタバタと騒がしくやって来てライナーにタックルをするマテリア
「ちょっと!!!この噂何なのよ!!!!朝起きたらいきなり部屋にたくさん人が居て!!質問攻めで!!!何なのよ!?!?」
呼吸もせずにしゃべり続けるマテリアに何とか正気を保っている僕はまぁまぁ、落ち着いて…とさとす
「ちょっとベルトルト!!それどころじゃないの!!!」
マテリアは本気で焦っている、それは噂が本当だからなのかそれとも嘘だからかは僕にはわからない
「おい!お前らひょっとして付き合ってんのか?!」
「驚いた、女の方には興味無さそうだと思ったのに…」
「うるさい!ちがう!!!ライナー!ちょっと来て!!!」
周りに茶化されマテリアとライナーは何処かへ走っていってしまった仲良くてを繋ぎながら、彼氏の僕を置いて
二人が消えたいま二人と最も近い僕に好奇心のベクトルが向けられる
「ベルトルさんなにか知ってる?」
「ライナーとマテリアって出来てんのか?!」
「だから最近あの二人仲良かったんですか!?」
知らない、知らないよ…僕に聞かないでよ、僕は何も知らないんだ。
ていうかマテリアは「僕の彼女なのに…」
そうだ、言ってしまえ。この場にいる人達にわからせてしまえ
「マテリアは僕の彼女だ!!!ライナーなんかと付き合って無いしっライナーにだけは譲らない!!!!!」
みんな突然の事に驚いたのかかたまったま僕を見上げる
「そうだよ、マテリアは僕の彼女なんだ、なのになんでライナーと仲良くするの…なんでライナーにばっかり頼るの…ぼ、僕じゃ頼りないってこと…っ?」
涙が抑えきれなくなり僕はその場にしゃがみこんですすり泣く
あぁ、こんなんだから嫌われるんだ…
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「ねぇ!?なんであんな噂たってるの!?」
私はライナーの服の裾を力いっぱい引っ張りライナーに、問いかける
「知らんぞ、俺も今さっき知った所だ…」
わたし達は当然付き合ってなどいないむしろライナーなんてお断り、私にはもっとかっこよくて優しい彼氏がいるんですもの…!
「昨日ばったり会って話してたって言えば普通に誤解も解けるんじゃないのか?」
「そうかな…ライナーは見た?あのコニーのアホそうなキラキラした目…納得すると思う?」
いっそ私にはちゃんと彼氏がいると言ってしまえばいいのだろうけど…それはベルトルトが嫌がる気がする
そもそも私とベルトルトの関係を隠しているのはベルトルトの意思であった
あんまり知られたく無いんだって言ったから誰にも話してない、それだけのこと
「あっ…」
そこで私はある事を忘れていたことに気がついた。
このことベルトルトはどう思ってるんだろう
今回の事件で一番重要な部分をすっかり忘れていた
「えっ!ど、どうしよう!?」
「落ち着け、あいつはそんなに余裕のない男じゃないだろう?」
ライナーは私の考えている事がわかったらしくとりあえず落ち着けと言ってきた
とにかくベルトルトの所に行かなくちゃ…!
そう思った矢先
「マテリア!!!大変です!!ベルと…えっとべるなんとかさんがマテリアは僕の彼女だって、大声で叫んだあと急に泣き出してぇええ!!!」
とサシャが勢い良くしゃべり倒す
「!?べ、ベルトルト!?」
付き合ってる事を公言した上に泣き出した!?それはどんな状態だよ?!
て、てか気にしてた!気にしてたじゃん!?ライナー嘘ついたじゃん!?!?
「ちょっと…行ってくる!!」
私はまた食堂に走って行く羽目になった…