進撃の巨人
□ヤキモチもっちもち
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「ジャン!!!猫拾った!!!」
私は腕の中にすっぽりと収まる猫をジャンの方に向けぐいっと差し出す
「はぁ!?」
ジャンは突然のことに目を丸くして驚きながらも猫を受け取り抱き上げた
「可愛いな…っていや、ちょっと待てよ?!」
ジャンが可愛いっていった!!!!お前のが可愛いよぉ!!!と私は心の中で叫びながらジャンに説明をする
「ん、あのね、その子迷い込んでたみたいでね?その子見つけた時に一緒にいたのエルヴィン団長なんだけど、団長が飼ってもいいよって!行ったから!!!連れて帰ってきたの!!!どう?!」
ジャンはどうって言われてもなぁという顔をしたあと少し目尻を下げて
「まぁ団長がいいってんならいいんじゃねーの?」
といった。
「だよねー!可愛いよね!!!!あ、あのね!?名前まだ決めてないんだけど、何がいいかなぁ?」
私がそう尋ねるとジャンは少し考えてから
「なんかこいつスゲーエレンみたいな顔してるよな…」
と言った
確かに言われてみればえれんっぽい気がする
「エレンでいいんじゃね?」
「えぇ!?ちょっそれまじで言ってる?!」
ジャンはなんだよ…と不服そうな顔を見せ、もうエレンでいいだろ、といい子猫とじゃれ始めた
「…えれんか…まぁ…いっか!!」
猫とじゃれるかわいいジャンも見れたし、この子拾ってきて正解だったなぁ、なんて思いながら私はエレンをじゃらし始めた
………………………
「えーーれんっ!ほら!猫じゃらしだよーっ!!ほらーっほらほらっ!あっもうちょっと!がんばれ!」
エレンは思ったより可愛く仕事が終わると毎日こうやって遊ぶようになった
「ぎゃっ!捕まったーっ!!エレンすごい!!!」
そう言いエレンをナデナデする目を細め擦り寄ってくるエレンが可愛くて思わず抱きしめる
胸元ではにゃーと少し不服そうな声を上げるエレンだがまぁ気にしない
「いてっ」
突然ぽかっと頭を叩かれ何かと思うとジャンがいた
「いったいなぁ!!なにすんのよぉ!!!」
振り返った先のジャンはしかめっ面をしていた。
あれ…?なんか怒ってる…?
「離してやれ、嫌がってるだろ」
私はエレンを離し殴られて出来たであろうたんこぶに触れながら再度ジャンを見上げる
ジャンも私の方をみたまま固まる
「な、何んなのよ…!」
ジャンの重圧に耐えきれなくなった私は立ち上がりその場をさろうとする
が、腕を掴まれ側にあった柱に押し付けられた
いわゆる壁ドンの体勢である
「………」
わたしの方を直視したまま口を開こうとしないジャン
「…………」
私も今度は負けじと唇をきゅっと結んでジャンを見る
五分くらいそのままじっとにらみ合ってジャンはやっと手を離してくれた
「名前、しくじったな……」
「えっ?」
ぼそっとつぶやかれなんて言ったか聞こえなくて気になって聞き返す、けどジャンは何でもねぇよ、と言って自室の方へ歩いて行ってしまった…
結局なんであんなに怒ってたのか分からないまま握り締めら赤く型のついた手を撫でながら私は自室へ戻った