進撃の巨人
□憐星
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大勢の巨人が建物を囲む中私は1人呟く
三日前壁外調査にでた調査兵団は索敵が思ったように出来ず班ごとにバラけてしまったのだ
私のくる私を残り二人となった先輩が優しく咎める
「無駄ですよ、むーだ。私達は戦うしかないんですよ、ここで待機することまる一日立ちました、もう誰も迎えには来ませんよ」
先輩は絶望的な顔でわかっている…と呟き頭を抱えた
「なので…私が殺ります」
私がそう言うと先輩の頭を抱えていた手がぱっと離れ顔が私の方を向く
「10何体もか…無茶をいうな…」
絶対無理、とでも言いたそうな顔で苦笑いする先輩
「殺れます、ここまでの私の討伐体数は18です、補助無しで、です。」
外をウロウロしているのはざっと15…刃が諸刃でなければ行ける
私は先輩の、替刃があるのを確認しこう続けた
「先輩はここで待っててください、私が死んでも出てこないでください…先輩は…私の最後を彼に…ジャンキルシュタインにどうか伝えてください」
これは甘えだ。最後を見ていて欲しいという甘えだ
彼女は…マテリアは最後まで勇敢に戦い死んだ、そう思われたい
だからそのために私は死ぬのだ
私は先輩の刃をすっと抜き取ると
「行ってまいります、見ていて…下さいね」
そう残しガスももう残り少ない立体機動を動かした
討伐は思ったより順調だった
「残り2体…私天才かも」
そう呟いた瞬間であったガスが切れ私は壁に叩きつけられた
「あっちゃー…」
強打した左足は力が入らず骨が折れて居るかもしれない
いないなぁ…そんなことを思いながらのんきに座っていると巨人が私に近づく
「私…おいしくないと思うなぁ」
それでも食べる?と私が微笑みかけると巨人は少し戸惑ったのか、動きが止まった
いまだ
「ごめんね…」
巨人の目に使い物にならなくなった刃をずぶりと刺す
使い物にならないものでも多めに持っていて正解だと私は自分の行動を褒めた
痛む足を気力だけで動かし巨人の腕からうなじまで駆け上がる
ざしゅっ
鈍くそれでいて鋭い音が巨人の急所をえぐり返り血を浴びる
「三日ぶりのシャワーがこれってどうなの…」