貰いもんはいらなくても貰っとけ

□第三話
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鬼襲隊に戻ると、みんなは慌てるようにうゆの治療に励んだ。

医療専門の紫円が主となり、うゆの傷口を治療する。

うゆの背中は縫わなきゃいけないほど、深い傷だった。

麻酔薬を注射し、元々眠っていたうゆにもっと深い眠りをさせる。

そしてうゆの背中は何針も縫われた。


紫円「…死にやしねーだろ」

青也「本当か?!うゆは…本当に死にやしねーだろうな」

紫円「騒ぐな、青也。うゆ様が起きてしまうだろう」


紫円は血のついた手袋を取り外すと、静かにため息をついた。


紫円「傷は残る。二、三日痛みが酷いと思うから、交代交代でうゆ様の傍に誰かを置いておいた方が良い」

青也「傷が残るって…」

紫円「それは仕方ないだろう。かなり深い傷だった。死んでもおかしくない」


みんなは言葉を失い、眠るうゆを見つめる事しかできなかった。


紫円「…血くさい。一人残り、あとは自分の後始末をして寝よう。うゆ様に臭い血のニオイなど嗅がせてはならねェ…」

嘉禄「…僕がうゆくんの傍にいる」


嘉禄はうゆの顔の傍に体を縮めて座っていた。


嘉禄「離れたくない。うゆくんの傍にいたいよ、僕…」

青也「嘉禄…」

嘉禄「…ダメかな。青也…僕じゃうゆくんの傍にいちゃ、ダメ?」


今にも、泣きそうな嘉禄が青也を見上げてか細い声で言う。

青也はポンッと嘉禄の頭を撫でると、静かに微笑んだ。


青也「分かった。今日は嘉禄がうゆの傍にいてあげて…頼んだよ、嘉禄」

嘉禄「…ん、」


嘉禄が頷いたのを確認すると、みんなはその部屋から去って行ったー…




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