貰いもんはいらなくても貰っとけ
□第三話
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鬼襲隊 side
嘉禄「うゆくん!!」
嘉禄が駆けつけた時には、青也の周りにみんなが集まっていた。
苦しそうに息をひゅう…ひゅう…とさせるうゆ。
黄瀬「青也!うゆ様を斬ったのは誰だ!俺がそいつを殺してやる!」
青也「俺も分からん。とにかく今は船に戻ろう。うゆ様の手当だ」
赤音「うゆ様ァ!うゆ様ァ…!」
泣きつく赤音に、顔を曇らせる紫円。
鬼襲隊は虚しくも、その場を後にして船に戻ったー…
真選組 side
沖田は屯所内に戻るとズカズカと足音を立てて山崎を探した。
近藤さんと二人でいる山崎を見ると、勢いよく鞘から刀を出し振り下ろした。
間一髪、山崎はそれをよけた。
山崎「お、沖田隊長!…何するんですかァ!」
沖田「山崎…テメーうゆを斬ったのか」
山崎「は…はい?」
沖田「とぼけんじゃねェ!鬼襲隊総督の背中を斬ったのかってきいてんだよ!!」
瞳孔がさらに開き、鬼のような顔をする沖田に山崎は震えた。
山崎「は…はい。斬りました。斬りましたよ、局長を守るために…」
沖田「あ?近藤さんを?」
沖田は不審な目で近藤を見つめる。
近藤「あァ。鬼頭うゆに斬られる所を、ザキが助けてくれたんだ」
沖田「…へぇ。そんな事が」
沖田は鞘に刀をしまうと、山崎に背中を向けた。
沖田「…近藤さんを守るためなら仕方ねェ…でも、アイツを殺すのは俺でさァ。もし、テメー、山崎のせいでアイツが死にでもしたら…俺はテメーを斬る」
沖田はそれだけ言葉を残すと、二人の前から姿を消したー…
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