ハチミツどろっぷす
□16.不良少女と別れ
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「皆さ〜〜ん!こんにちはー!!」
「私達、3人揃って…」
『「「DropSです☆」」』
ステージの上で、3人は揃っていつものキメポーズをし笑顔で手を振った
「驚かせてしまってゴメンネー?ホントはここで歌うつもりなかったんだけど…我らがリーダー、リンがどぉーしてもって言うからさ♡」
『あらサク?私そんな風にお願いした覚えはないけど?』
「まぁまぁ2人共…まずちゃんと説明した方がいいんじゃない?ね…?リン」
『…うん』
そう蘭に言われ、一歩前に出る凛
客席の方を見ると、ちょうど心配そうにステージを見つめている高尾と緑間が目に入った
そして
その隣でただジッと凛を見つめている…宮地の事も
『…………』
でも、もう遅い
ごめんなさい…先輩
私…
『…みんな、驚かせてしまって…ゴメンね。私、如月凛は…実はDropSのリンなの。ずっと卒業するまで…正体をバラすつもりなかったんだけどね…』
少し俯きながら、ゆっくりと、言葉を発していく凛
周りは静かにその言葉を聞き、そして頑張れ…!というような眼差しでその場を見守る
『でも、急遽こうしてみんなにこの場でバラす形になってしまった。その理由は……そう、Siriusの方々に挑戦状を突きつけられたから。だから、私達はこうして今、この場に立っているの』
ジッ…とステージからSiriusを見つめる3人
それに対して由香里はふふ…と小さく口角を上げながら笑った
『…この場をお借りして、私達も発表します。DropSは……トップ・ザ・アイドルに出場します!
喧嘩、買ってやろーじゃん!!!』
ウォォォォォォォォォ!という歓声
周りはすっかりお祭りモードになっていた
そんな中でも睨み合う2グループ
由香里はふふふ…と再び笑うと、凛に手を差し伸ばした
「正々堂々…頑張りましょ?」
由香里が差し出した手をジッと睨んだ後、凛も手を取り…そして軽く握った
『…ふん。正々堂々…ね……それ、貴方達が言うの?最初からこの流れを作る事が目的だったんでしょ?』
「…………さぁ?どうでしょう?」
『妙な真似またやったら今度こそ許さないから』
「あらあら…そんな怖い顔しないで?……ねぇ、1つ提案があるの………ゲームを盛り上げる為に勝者と敗者に景品を設けるのはいかが?」
『景品…?敗者も貰えるわけ?』
「ええ、“解散”っていう…名前の、ね?」
『!?!?!?』
さすがに凛の隣にいた咲と蘭も目を見開き、そして少し焦ったような表情で凛を見る
もちろん、周りにいた観客も“解散”の言葉にザワつき始めた
『……………』
「そんなに悩む事でもないでしょ?トップ・ザ・アイドルで優勝できればアイドルとしての人生の永遠を約束されるけれど……反対に功績を残せなかったグループはこの業界から消えたも同然の扱いを受ける…なら、遅かれ早かれじゃないかしら?」
『…そうね』
「で、逆に…勝者の景品なのだけれど…」
由香里は凛との距離を一気に詰め、そして耳元で小さく囁いた
「宮地清志、これでいかが?」
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