ハチミツどろっぷす

□14.不良少女と宣戦布告
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「……それでは、エントリーナンバー6番!!」


出し物ステージは何事もなく進む


途中、木村先輩が出てきたときはみんなで全力で声をかけて。何をやるか全く知らなかったけど…とりあえず応援しようと声を出した次の瞬間


『フルー…ツ?』


どこからでてきた


大量のフルーツ。それを1つ1つ見事な包丁捌きで皮をむいていく木村先輩


さすがに駄えられなかった高尾と宮地先輩が声に出して笑っていた


「サイコーかよ木村ァ…」


「木村さんヤバイwwwwwwwもう俺腹が限界wwwwwwwwwwwwww」


そんな時間もあっという間に過ぎ…


「エントリーナンバー12番!!Siriusの皆さんです!!」


由香里の番がキタ



















「え〜〜今回はなんとスペシャルステージ!ということで…他のメンバーも駆けつけてくれましたー!ってマジで!?!?カナポとサーヤも来てんのマジで!?!?」


と、思わず司会者の学生も驚く


それもそのはず。だって現役アイドルが高校の文化祭でなんの告知も無しにライブやりますーなんて言ったらそりゃ驚くわ…


「さぁ〜〜て?お手並み拝見といこうかしら」


「そうだな」


『……えぇ』


ジッとステージを見つめる3人


宮地先輩はもちろんステージに向かってSiriusの名前叫んでるし、高尾もなんやかんやノリノリだ





「皆さんこんにちはー!!Siriusのユカリンでーす!」


「わぁ〜〜すごい!学生でいっぱいね!サーヤだよ〜〜」


「みんなのカナポが遊びにきたよ♡」


ステージ衣装で手を振りながら登場するSirius


…完全にSiriusのライブ会場と化した


チラッとこちらを見る由香里


そしてこちらに向かってくる由香里にあからさまにゲッ…!?って顔をする咲と眼鏡越しで睨みつける蘭、そして…


『…………』


ただ、ジッと見つめる凛


「由香里ー!」


「アッ!宮地せんぱーい!!」


宮地先輩に声をかけられ、とても嬉しそうに笑う由香里








ズキッ…と


痛む











































ズキッ……………??







「今日はスペシャルステージ!みんな楽しんでいってくださいね!!さぁーて…一曲目から飛ばしていくわよー!!」


そう言い、ガッツポーズをする由香里に会場にいた人間はみんなオー!!と大きく手を上にあげるのだった















…もちろん、DropSは怖い顔でステージを見つめたままやらなかったが























「…はぁ…はぁ………いや〜〜楽しかったわ!みんなありがとー!」


最後の曲も終わり、Siriusは軽く挨拶をして手を振る


会場からはすでにアンコールの声も上がっているくらいだ


「いやぁー!やっぱ生LIVEは最高だな!?」


満足そうに笑う宮地


凛は面白くなさそうにそっぽを向いた


「…見せつけてくれたな」


「そうね。これ、喧嘩売られてるよ絶対に。途中すっごいこっち見てたし。ねぇ凛、私達も…」


『ダメよ。気持ちはすごくわかるけど。ここで出ていくわけにはいかないよ…』


「…凛」


笑顔で手を振り、由香里の名前を連呼する宮地
















…先輩に私=リンちゃんとバレたくない





















「え〜〜では、最後に重大発表しまぁす!」


彩也子はニヤッと笑う


それを見た由香里は小さく頷き、マイクに叫んだ


「私達、Siriusは2ヶ月後にあるトップ・ザ・アイドルに出場します!!」













『なっ……!?!?』


「なななんですってぇ!?!?」


由香里の言葉に思わず叫ぶ凛と咲












トップ・ザ・アイドル


それはアイドルの頂点を決める4年に1回行われる祭典


ここで優勝できれば永遠の人気を得る事ができるという伝説の大会…


ただそれなりの成績を残せなかった場合、芸能界から姿を消すというふうにも言われている危険な大会だ…














「ちょっと迷ったんだけどねー?どぉーしても潰したいグループがいるって、ウチのリーダーが張り切っちゃってさ♡」


加奈恵が怖ーい!って言いながら大げさにリアクションをとる


「…ふふ……負けたくない相手に勝つにはやはり出るしかないと思ってね…どうかしら??ここでそろそろ決着つけません??













SiriusとDropS、どっちがトップアイドルか、ね?」


由香里はステージから凛の方をジッと見つめながら言った


「…由香里?すげーこっち見てる?」


宮地がクエスチョンマークを浮かべながら周りをキョロキョロする


そして…DropSの3人も負けずとステージを睨みつけた







『咲、蘭』


「「はいよ、リーダー様」」


『一緒に彰に怒られてくれる?』


「何言ってんのよ、今更」


「私達は3人一緒。そして私達のリーダーは凛。私はあなたが行くならどこにでもついて行く」


『…ありがと、2人とも』










大きく深呼吸をする









私達にも、プライドというものがある












『咲、蘭…行くよ』


「「了解!!」」







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