ハチミツどろっぷす
□14.不良少女と宣戦布告
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『……………はぁ…』
活気で溢れている。そりゃそーだ、文化祭だもん。
『なにもかも、うまくいかない』
人で溢れている廊下で1人、凛は小さく苦笑いをした。
あの子達が悪いわけではない、誰が…!?って正直思ったけどそんなこと考えたところで犯人なんてわからないし、意味もない。
『咲と蘭。がっかりするかな…』
チラッと、時計に目をやる。もうすぐ始まる時間だ…
晴れぬ気持ちのまま、
凛は体育館の方へ急いだ。
「エッ!?凛がダンスを教えてたとかいう噂の子達、出れなくなっちゃったの!?!?」
『うん…』
「足を怪我したのか…それなら仕方ないけど、残念だな…」
案の定、ガッカリの反応を見せる咲と蘭
高尾が「まぁまぁ…あ!でもほら、この出し物ステージ木村さん出るんだぜ!!?」と笑い元気を出させようとするが、そもそも咲と蘭は木村先輩を知らない時点でアウト。もちろん2人はハァ?という反応を見せた
でもそんななか、凛は、木村先輩出るんだ…とそこで知った初情報に少し笑っていた
『…てことはバスケ部他のみんなも見にきてそうだよね』
……宮地先輩もいるのかな
そうボソッと呟いた矢先に聞こえてきた凛の名前を呼ぶ声
「凛ー!!あ、高尾と緑間と…誰だ?他校の制服??」
アレ?どっかで見た事ある…なんて言いながら近づいてくる男はもちろん噂の宮地先輩
『先輩も出し物ステージを…?木村先輩が出るから…』
「ん?ああ、そうなんだよ木村が出るんだ!笑っちゃうよなぁ〜…確かにそれも目当てだけど一番は由香里かな」
『え?』
由香里
という名前に反応する。もちろん反応したのは凛だけではない
「み、宮地さん?ユカリンまさか…何か出し物するんすか…?!」
「あぁ、しかもSiriusのメンバー全員でパフォーマンスするっつってたからやべーよな!!!こんな所でいいのかよって思うけどな!いや〜〜ラッキーだぜ!」
『………』
眉間にシワが寄る凛
…由香里は…何をするつもり?
「…ねぇ、凛」
『咲』
「由香里…もしかして、ここでわざと目立って凛を挑発するつもりじゃ…正体を晒せない事をいいことに」
『…確かに喧嘩は売られそう』
手元のプログラムを広げるとどうやら由香里達は12番目のようだった
…12番目?
『あの子達の前、由香里達だったんだ…』
「あの子達…って凛がダンスを教えていた、あの?」
『うん。13番目だとは聞いていたから』
「それさ」
今度は蘭が小声で凛と咲に言う
「わざと、じゃない?見せつけて、後ろに控えているあの子達を潰すつもりだった…とか?」
考えすぎかしら?
と蘭は首をかしげるが…正直ありえなくもない
でもそれも関係ない
だってあの子達は出れなくなってしまったのだから…
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