ハチミツどろっぷす

□13.不良少女と文化祭
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『……今の所もう一度やるよ………………ハイ、ワン、ツー、ワン、ツー……』


手を叩きながらリズムをとる凛


その音に合わせながら3人もダンスをする


『ん、いい感じ。じゃー私は今日はもう帰るね』


鞄を持ち上げる凛に3人は「ありがとう、凛ちゃん!」と声を揃えてお礼を言った


『………………おぅ』


少し恥ずかしそうに目をそらしながら、凛はそう応えると教室から出て行った


『………………あーあ、なにやってんだか』


ちょっとだけのつもりが


気がついたら文化祭の準備の時間は毎回あの教室へ行って教えていた


『ま、どうせ暇だし』


クラスの準備に参加していない事を知ったら彰は怒るだろうか…


なんてフワフワ考えていると、下駄箱前のスペースでペンキを片手に唸っている男が


「……うーん、なんか違うな」


『……宮地先輩』


どうやら宮地は看板の色を塗っていたようだ


うまくいかず悩んでいた彼を見た凛はちょっと声をかけてから仕事に行こう、と思い宮地に近づいた…が


「みーやじ先輩♡」


「お、ユカリン!」


「ここではその呼び方じゃなくて由香里って呼んでくださいな」


「じゃー由香里!…な、なんか変な感じだなぁアイドルを呼び捨てにするなんて…はははっ」


宮地につられて由香里もふふふっ…と笑う


凛は遠くからそれを見つめたままその場に立ち尽くしていた


「そうだ、由香里。ここなんだけどさ…お前なら何色にする?」


看板を指差しながら首を傾げる宮地


その看板には可愛らしい文字で「コスプレ館」と書かれていた


「私なら……やはりピンクとか赤とかですかね?可愛らしい感じにした方がいいと思いますよ?」


「なるほどなぁ…やっぱ可愛く行くべきか…」































『………………っ』


凛は視線をフッ…とそらすと走ってその場から消えた











「………………?」


「どうしたんですか?宮地先輩?」


「あ、いや…誰かそこにいた気がしたんだけど…気のせいか」


「…………………」


視線の先にはすでに誰もいない


その誰もいない場所を…少し悲しそうな表情で見つめている宮地に由香里は心がキュッと締め付けられる気持ちになった


「誰もいないですよ?」


「…だよな」


「あの、先輩。1つお願いがあるのですが…聞いてもらえますか?」


「ん??」







































『…………ゴメン、ちょっと遅刻するかも。うん…うん……だからゴメンって謝ってんじゃん彰のバカ』


今日はスタジオでのダンスレッスン


時計をチラッと見る凛


電話の向こうで怒鳴っている彰が面倒くさく感じ、適当にもう一度謝ると


ブチッ


と、電話を切ってしまった


















……………正直、家に帰りたい


『……これは認めるしかないのか』


自分は宮地先輩の事が気になってる


だからこんなに苦しいんだ

























『………………………苦しい……』




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