ハチミツどろっぷす
□9.不良少女と旅行
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「凛こっちこっちー!早く来なさいよー!」
「凛大丈夫?手伝おうか?」
「こらこら蘭。ジャンケンに負けた奴の罰ゲームを手伝っちゃダメだろー?凛もこーんなに一生懸命罰ゲームを最後までやりきろうと頑張ってんだ。なぁ?」
『彰、アンタマジでいつか殺す』
両手、背中に大きな荷物を持った凛はギロッと彰を睨んだ
「もぉーケンカしないの!せっかくの休み!せっかくの海!なんだから楽しまなっきゃ♪」
夏休み
学校は当然休みなのだが、アイドルに休みはない
『……はぁ……ま、いっか』
しかし、DropSは現在とある海に来ている
何故ここにいるのか…それは一週間前に遡る……
「えええ!?次のPV海で撮るの!?」
「そうだ。これはもう決定事項だ」
『海……まさか水着とか…』
「だろうな」
『たいへーん!ダイエットしなきゃ…………』
「だな。その情けない下っ腹なんとかしねーとな」
『……カチーン』
凛が彰を殴りに行こうとするのを全力で止める蘭
「アキちゃんもそーいう酷いことをすぐ言わないの!んで……海での撮影ね。うん、これはアレをしなきゃダメね」
『アレ?』
「下見」
『はい?』
自信満々に言う咲に凛は目が点になっていた
「どんな海で撮影するのか下見が必要よ!そうね……一週間後辺りにみんなでその海に行こ!♪」
『いやいや、海の下見って何よ。そんなのOKでるわけ……』
「それもそうだな……よし、行くか」
『え?』
……と、いうわけで
撮影の下見という理由で来たDropS
しかし凛はわかっていた
『彰、アンタただ休みたかっただけでしょ?』
「バレた?」
『咲、アンタも撮影の下見とか嘘で遊びたかっただけでしょ?』
「バレた?」
あははは!と笑う2人に、はぁ……とため息をする凛
「まぁまぁ…」
そんな凛の肩を優しくポンっと叩き、諦めな、という目で凛を見つめる蘭であった
『はぁぁぁぁぁぁ!重っかった……!!』
「お疲れ様、凛」
『ありがと!蘭にすこーし手伝ってもらっちゃって…ゴメンね?』
結局荷物を1つ持ってもらった蘭に凛はニコッと笑った
「気にしないで。困ってたら助けるのが当たり前でしょ?」
『蘭は優しいなぁ……それにしても……』
目の前にある宿……?を見つめる凛と蘭
『本当にここ……なの?』
「結構古い感じね」
「お前ら何やってんだ、早く中に入ってこい」
宿の扉がガラッと開いたと思ったら出てきたのは先に行っていた彰と咲
「アキちゃーん……もーちょっと良いところ取れなかったの?」
「文句言うな。この時期だとどこもいっぱいなんだよ。それに人が沢山いる場所に泊まってお前らの変装がバレたらオワリだろ」
「そうだけどぉ……」
「わかったらまず荷物を早く部屋に運べ。いいか、出かける時もその変装スタイルを崩すんじゃねーぞお前ら」
『「「はーい」」』
彰が宿の人と話をしている間に荷物を部屋に運ぶ3人
ただ、さっきまで騒いでいた咲は急に静かになったと思ったら凛の袖を握ったまま周りをキョロキョロ見ていた
『咲?』
「ななななな何!?」
『……随分と静かだなーと』
「だだだだだだだってここ何か出そうじゃない!!」
『あぁーーー………』
そういや、お化け類苦手なんだっけ?
『大丈夫だってーこんな真昼間からお化けなんて……』
ガラガラガラガラッ!!!!
『!!??』
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
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