ハチミツどろっぷす
□8.不良少女と仕事
2ページ/3ページ
『………はぁ』
凛は屋上のフェンスに寄っ掛かりながらため息を吐いた
『なんなんだよ…いつもと全然雰囲気違うじゃんか』
お昼ご飯は屋上で集まって食べている凛とバスケ部レギュラーだったが、今日は誰も喋ろうとしないまま、ただ黙々とご飯を食べるだけであった
『……………サボると彰に怒られるけど…』
どうもやる気がでない
バスケ部レギュラーは皆教室に戻った後、凛はまた1人で屋上に行った
もうすぐ午後の授業が始まる
でもそんな事どうでもよかった
『…………………』
あの人達が元気ないだけでココまで自分が気にしてしまうなんて
『私の中で大事な存在になってきちゃったということかな……はは』
午後はここで昼寝でもしよう
そう思った凛はそのままゆっくりと腰を下ろした……その時、
ガチャ……………
「アレ……なんでここにいんの?」
『……それはこっちのセリフなんだけど』
屋上に現れたのは高尾だった
『授業は?』
「もう始まる。俺はただのサボり」
『へぇー奇遇だね。私もサボり』
高尾は小さく笑うと凛の隣に腰掛けた
『ねぇ……教えてよ』
「え?」
『バスケ部なんで元気ないわけ?高尾も緑間も……宮地先輩も……』
「…………やっぱなぁ…元気出ないよなぁ……」
『……?』
「あのな、俺達インターハイ逃したんだわ」
『…………え』
高尾の言葉に凛は目を見開いた
「俺や真ちゃんももちろんインターハイ行きたかった。でもそれ以上にさ……やっぱ先輩達の方がその想いは強かったんだと思う。最後…だし」
『………………』
最後
この言葉が凛の心に深くつきささった
『……そう、だったんだ』
凛は自分の胸にそっと手を当てた
『……………』
胸が痛い
ズキズキする
私はどうしたらいいんだろうか
彼らの為に…宮地先輩の為に……何をすればいいのかわからなかった
・