ハチミツどろっぷす

□7.不良少女と嫉妬…?
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『はぁ……雑用頼まれてしまった…』


大量のプリントを抱えながら、凛はため息をつきながら廊下を歩いていた


『この後どうしよっかな……屋上でのんびり1人で……うわっ!?』


急に風が吹き、プリントが何枚か宙に舞った


凛は急いで拾い、周りを見渡す


『あ!あそこ窓開いてる…全く開けっ放しにしたの誰よ』


少しイラッとした凛はその開いていた窓を閉めようと窓に触れたその時


『アレ……?』


窓から見えた男女


女は少し下を向きながら…何かを男に伝えているようだった


そして…その男は…


『………あのハチミツ色の髪』


…宮地先輩だ


何を言っているのかはわからない。でもきっと…告白をされているんじゃないかな、と思った


『ふーん……やっぱりモテモテなんだねー』


そう小さく呟くと凛は勢いよく窓を閉め、教室へ戻って行った

















「凛ちゃーん♪」


『何、高尾』


「ええー!今俺しか周りにいないのにそのキャラで対応しちゃうの?素で行こーぜ、素で♪」


『……はぁ…わかったわかった。で?なーに?』


プリントを運んだ後、屋上で1人のんびりしていた凛


そこに何故か高尾が現れたのだった


「屋上に行く凛ちゃんが見えたから来てみただけだぜ」


『はぁ?え、何、ストーカー?』


「見えちまったんだからしょーがない!」


『…?』


時々高尾が何を言っているのかわからなくなる時がある


目がどーだとか…見えるとか…


『まぁいいや。じゃーとりあえず静かにしててね?私今すっごく気分が悪いのー』


「え?何々?なんかあったの?」


『高尾には関係なーいのでお気になさらず』


「相談くらいのるぜ?ほら、高尾君に話してみ!」


『……全く…』


中々諦めない高尾に凛も折れたのか、ため息混じりにさっきあった出来事を語り出した


『宮地先輩ってさ…やっぱりモテんだよね?』


「まぁーそりゃ、あのルックスに頭も良くてバスケも上手い。ドルオタなところ以外は完璧だろ」


『さっきたまたま告白現場らしきもの見ちゃってさ。すごいなー…と』


「ふむふむ」


『私は知り合ったばかりで先輩の事あんまよく知らないけどさ…なんて言うかこう…』


「モヤっとしたとか?」


『そんな感じ?気持ち悪いっていうかムカムカするっていうか』


凛の話を聞いて高尾はふむふむ…と頷き、そしてニヤッと笑った


「はいはーい!高尾君にはバッチリわかったぜ。それはズバリ…嫉妬だな」


『シット?』


「あぁ嫉妬」


『誰が?』


「凛ちゃんが♪」


『誰に?』


「宮地さんに☆」


『………………………は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?』


やっと言葉の意味を理解したのか、大きな声を上げながら顔を真っ赤にする凛


『私が?先輩に?嫉妬?ないない!!絶対!!』


「えー?この世に絶対はないぜ、凛ちゃん♪少なくとも凛ちゃんは宮地さんの事気になってるんだと思うぜ」


『………………』


気に…なってる?


それってつまり…………


『……ゴメン高尾。1人にしてくれない?』


「え…急にどーした…」


『お願い』


「………」


高尾は真剣な顔でわかった、と言うとそのまま屋上から出て行った


『…………』


考えもしなかった


まさか自分がこんな事










でもわかってんだ


こんな感情を自分は持ってはいけないって


『私はアイドルだ』


アイドルは恋愛禁止


そんなの当たり前の世界


『恋なんて私には必要ないんだ…』


好き、という感情を持ってはいけない


大丈夫、まだ間に合う


まだ先輩への気持ちを消せる


『でりーと』


凛は自分の胸にそっと手を当てながら…雲ひとつない空を見上げたのだった




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