ハチミツどろっぷす

□5.不良少女とマネージャー
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『今日は宜しくお願いし……』


「「凛!!」」


『うわっ!咲!蘭!どーしたの!?』


「どーしたの?じゃないわ!アキちゃんから聞いたよ!?」


「変な男に襲われそうになったって!凛、どういう事か説明してくれるよね?」


『え……あの…』


今日はDropSのメンバー揃ってダンスのお稽古です


『彰ぁ……』


「で!?」


「説明して」


『う……だから…学校帰りに変な不良男子に絡まれて…変な事されそうになって…』


パキッ……ポキッ………


説明途中で変な音が聞こえた為、凛は2人を見ると


「へぇーじゃーアイドル様に淫らな事をしようとした不逞の輩を始末しなきゃねぇ!」


「ちょっとその男達ぶっ飛ばしてくる」



『タンマタンマ!!落ち着いて!ほら、この通り無事生還!先輩に助けてもらったから大丈夫!』


必死に2人に説明する凛。特に蘭は目がマジになっていた為、全力で抑えた


『彰の奴……勝手に2人にバラしたな……』


「俺がなんだって?」


『ゲ……彰ぁ!!』


凛の後ろにはいつの間にかスーツを着た男が


御堂彰(みどう あきら)。23歳。DropSの専属マネージャー。身長高いしイケメンだしでマネージャーのくせにそれなりにモテる男


「アキちゃん!!」


「彰!」


「どーした、お前ら」


「凛が暴漢に襲われたって!言ってたじゃない!」


「私ら今からそいつらをグチャグチャにして来ようと話をしていて」


「あぁ…アレな」


思い出したかのように指をパチンと鳴らす彰


『アレな☆じゃないよ!なんで勝手に2人に言うかなー!?マネージャーの彰には報告しといた方がいいと思って言ったけど……言わないほうが良かったわ!』


「何言ってんだ、凛。大切な仲間なんだから心配して当然だろ?それに、咲、蘭……」


彰は咲と蘭の肩に手を置くと悲しい表情で言った


「アイドルの手を血に染めるわけにはいかねーだろ?」


「アキちゃん……」


「彰……」


「あのな、そーいう仕事は……」


『…………あ…』


でた、ブラックスマイル


そうそう、1つ彰の自己紹介に加え忘れた事があったわ


「マネージャーの俺の仕事だから。俺が代わりに真っ赤に染まって来たから安心しろ」


『…………』


染まってきたって……返り血で?


『はぁ……相変わらずだ…』


1つ付け加える事


それは超がつくほどドSである事


だいたい笑顔の彰は営業スマイルかブラックスマイルのどちらかだ


きっとあの男達もあんな事やこんな事されたのかな…気の毒だ


『………………』


ただ……彰を見てると最近少し思う事がある


……そう、似てるのだ











……宮地先輩に



























「宮地さぁぁぁぁん聞いて下さいよぉぉぉぉぉぉ!!」


「高尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


「オイ、緑間。これは何事か」


「俺にもわかりません」


お昼休み


いつものように集まっていたバスケ部。そこで宮地と高尾が出会った途端に泣き出すという不思議な事態になっていた


「み、宮地?高尾?どうしたんだ、一体」


「木村ぁぁぁ聞いてくれよぉぉぉぉぉ!DropSのチケットがな…チケットがな……」


「あ、外れたんだな」


「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


全てを悟った目をした木村


床を叩きまくる宮地に高尾


え、外れちゃったの?てか俺もLIVE行きたいな…2次抽選あるかな…と1人別の心配をしている大坪


……とりあえずよくわからないけどお腹が空いたので弁当を広げる緑間


そこは色々カオスな状態になっていた


……そんな所を遠くでどうしようかと見ていた人が…1人


『……………』


……どうしよう


……出て行くタイミングがわからない!


凛は自分の手の中に握られている2枚の紙をチラッと見た


『……どのタイミングでこれ渡したらいいんだろうか…』










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