ハチミツどろっぷす

□4.不良少女と友達
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『仮面が剥がれそうな危機』


「仮面?アンタ舞台でもやってんの?」


咲がお菓子を頬張りながら凛に聞いた


今日は志◯動物園の撮影。久々に歌う仕事ではなかったDropSであった


『違うよ…不良少女の仮面!』


「凛…まだそんな事やってたの?」


『そんな事って…大事な事でしょう?なんかこう…友達みたいな?そんな感じの雰囲気になっちゃってるっていうか……仲良くなってバレちゃったらヤバイじゃん!』


「ふぅーん…ま、確かにバレたらヤバイけどさ…正直凛はその人達の事嫌いなの?」


『え…』


それは……


『嫌い…じゃない』


「んじゃー仲良くなっちゃいなよ」


『ええ!?でも…』


「私でも正体隠してはいるけど、友達だっているし普通に会話してるよ?ねぇ、蘭?」


「ええ、普通に友達はいるよ」


『マジっすか…そういうものなのか…』


うーん…と考える凛


まぁ…仲良くしたいとは思う。もっと普通にみんなと話したいとは…思う


「もっと気楽に生きなよ。とりあえずその…バスケ部なんだっけ?見に行ったら?」


『そうだ…ね…うん、行ってみるよ!』

























『…と、いうことで早速来ちゃった…』


次の日の放課後


体育館に早速足を運んだ凛


『あそこか…てか何あの女の子達。みんなでバスケ部を見てるのかな?』


バスケ部のファンらしき女の子達を少し掻き分け、とりあえず高尾を探そうとした凛であったが…


「キャァァァ!宮地先輩ー!」


『…宮地先輩?…あ……』


早いドリブルでどんどん人を抜いていく男


『宮地先輩だ…』


蜂蜜色の髪を揺らしながら、そのままゴールへ走っていく


シュッ…!!


「キャァァァ!!!」


ゴールが決まると女の子達からの歓声が上がる


しかし、宮地先輩のファンだけかと思ったら意外とそうでもなく


他の選手が次々と決めても歓声が上がっていた。あの高尾にも(←失礼)


『へぇ…バスケ部は人気なのか』











「休憩だ!10分後またゲームをする!」


監督らしき人がそう言うと皆がそれぞれタオルやドリンクを片手に持って散っていく


『もう帰ろうかな…』


その場を後にしようとしたその時


「凛!」


宮地が凛を見つけ、声をかけた


『……見つかってしまった』


周りにいた女の子達からは何故?という声で沢山になっていた


「とりあえずコッチ来いよ。そこ狭いだろ?」


『え、いや…』


「はいはーい、凛ちゃんコッチコッチー♪」


『ちょ、高尾!?』


ズルズルと高尾に凛は引っ張られていた


『いや待って。私そろそろ…』


「はぁ?もう帰んのか?」


タオルで汗を拭いている宮地。汗が滴る姿に凛はドキッとした


なんかカッコイイな…


やっぱり…彼らともっと仲良くなりたい


『初めて見た』


「ん?」


『みんながバスケしてるとこ』


凛はニコッと笑うと


『とってもカッコよかった』


「ーーーーーーーっ!?!?」


『じゃ、練習頑張って』


軽く手を振ると、凛は荷物をまとめてそのまま体育館を後にしたのだった


「ほぇぇぇぇ…凛ちゃんの笑顔初めて見たわ……アレ?宮地さん?」


「………………」


「おーい宮地さーん??」


「……てる」


「はい?」


「似てる……」


宮地には先程の凛の笑顔とDropSのリンちゃんの笑顔が重なって見えた


……似ている


なんとなくそう感じた宮地


「そんなわけねぇよな…」


残りのドリンクを全て飲み干すと、宮地はボールを片手にゴールに向かってドリブルをするのであった






















『危ない危ない。先生に書類渡しそびれる所だった』


職員室から出た凛はホッと安心すると今度こそ学校を後にした


『今日は唯一の休みだし…この後どうしようかな。寄り道するか、家でゆっくり過ごすか…迷うなぁ』


うーん…と考えていると、前から歩いてきた男3人に


ドンッ……!


『イタッ……』


身体をぶつけられて凛は後ろに少しよろめいた


『何すんだよテメェ』


「あぁ?お前がぶつかってきたんだろーがぁ?」


『はぁ?何言って……なっ!?』


両腕をガッチリと掴まれた凛


『…あぁ…………』


これはヤバイ…


本物の不良に絡まれてしまった!!

















「お嬢ちゃん、ちょっと来てもらおうか?」





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