橙色の彼女

□第38話 「あのチョーカー…あげたの灰崎君でしょ?」
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『はぁ……』


昨日はあの後灰崎君……祥吾に呼び出された


家に来い、と


絶対にまた襲われるんだろうな、と思っていた


『………………』


なのに昨日は途中でやっぱいいと言われる始末


意味がわからない


『何を考えてんのかさっぱりわからない』


私はそんな事をボーッと考えながら窓の外を見つめていた


そんな時、テンションの高い声が私を呼んだ


「栞ーーー!」


『涼ちゃん』


涼ちゃんはニコニコ笑いながら私の席の前まで来ると


「今日から宜しくっす!」


『……え?』


「え?忘れちゃった?今日から俺1軍入りなんすけど?」


『あ……』


そう言えばそうだった


部活はやらないと言っていた涼ちゃんだったが、何かあったのか…最近突然バスケ部に入部したのだった


『涼ちゃんバスケセンスあるよね』


「マジ!?栞に言われると超嬉しい!」


ニコッと涼ちゃんは笑った


『…………そっか』


私も笑った


うまく笑えていたかはわからないけど

























あれから


私はわりと普通の生活をしていた


祥吾にはほぼ毎日のように呼び出されていた。昼休み、放課後と…


キスをされる事は何度もあったけど、それ以上はあの日以来ない


それに


祥吾は時々悲しそうな表情をするようになった


『……どうかしたの?』


「……別に」


私の気持ちは変わらない


大輝が好き


これはバスケ部の勝利のために私も黙って言うことを聞いているだけ


でも………










だんだん祥吾が何をしたいのかわからなくなっていた




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