橙色の彼女

□第26話 私、もういらなかったみたい…
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『大輝いるかな…?』


私は急いで大輝を探した








まずは大輝に謝る


それで…それから………







カシャン……………




『あ、』


後ろを振り返り床に落ちた物を拾う


手のひらでキラリと光る…大輝から誕生日に貰った水色のピアス。何故か耳から外れて落ちたようだった


『…………』


少し…嫌な予感がしたが、すぐに頭から消し、また走り出す




私の身体から警報が鳴り響く。今、大輝に会っちゃダメだ…と









きっと気のせい、考えすぎだ、と思った私はいつの間にか教室に着き、勢い良くドアを開けた


『大輝!』

















「ん……あ、青峰君…」


「うるせぇな…声出すんじゃ………栞…っ…!?」


教室には大輝一人じゃなかった


大輝にしがみついていたのは私の知らない女


『な、に………』


ナニシテルノ…?


「あ、あの…橙川さん…私……」


『…………』


「栞、待て。これは…」


『…………』


あぁ、そうか…


なんだ…もう…私はすでに…


『………バイバイ』


その場から走り去る


大輝が私の名前を呼ぶ声が聞こえたが無視をし、ひたすら走る


校門へ向かうと涼ちゃんが携帯をいじりながら私を待っていた


「…あ、栞ー!」


『………っ』


「どうしたんすか…?ぜぇぜぇ息上げちゃって…走って来たんすか?別にそんなに急がなくても良かったのに…」


『……ふぇ………りょ…う…ちゃ……ううぅ…』


「ーっ!?」


私は涼ちゃんの胸にしがみつきながら声をあげ、泣いた


『うぁぁぁぁぁぁ……っ!!』









涼ちゃん





遅かったみたい







私、もういらなかったみたい…







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