橙色の彼女
□第20話 夏の全中、私達の歯車はここから狂い出す
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『大輝!』
「わりぃーわりぃ!待たせたな、帰るぞ」
『うん!』
中二になった
私達は付き合っている
告白された場所やその時の状況は決してロマンチックなものでは無かったけど
ずっと好きで、そばにいたいと思っていた人とこうして毎日笑い合える事に
私は幸せを感じていた
「栞?どうした、ボーッとして。何かあったのか?」
『ーっ!あぁゴメンゴメン。ちょっと嬉しくってさ』
「嬉しい?」
『大輝とこうして一緒にいられるのが』
「バッ…////きゅ、急になんだよ…ったく…」
『ふふ…』
顔が赤い大輝をからかうように笑う私
「あ、それ…」
『ん?』
「ピアス。似合ってるぜ」
顔を少し赤くしながら大輝は私のピアスに触れた
今私の耳には水色のピアスが光っている
誕生日に大輝が私にプレゼントしてくれた大切なピアス
『ありがとう……/////』
耳に穴を開けるのは少し怖かったが、大輝がいたから…痛みも耐えられた
今は毎日このピアスを付けている
これを付けていると…大輝が隣にいるようで…安心できるのだ
『そういえば…もうすぐだね。全中』
「あぁ、だな…」
『どう?自信は。優勝出来ますかー?』
「お前…バカにしてんのか…?絶対に優勝を持ち帰るに決まってんだろ?」
『さすが大輝!』
私は大輝に『期待してるからね!』とガッツポーズをすると大輝も小さく「おう」と言った
夏の全中
私達の歯車はここから狂い出す
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