橙色の彼女
□第9話 「お前ら中学の時何があったんだよ…」
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『はい、飲み物。』
「おう!サンキュー。」
辺りはすっかり暗くなっていた。
「栞。時間は平気なのか?家とか…親とか…」
『平気平気。だって親は今海外だもん。ある意味一人暮しだよ。』
「はは、おれと同じだな。」
『あれ?大ちゃんも一人暮し?』
「おう。親父と住む予定だったんだけどな。」
『そっか…』
「なぁ…その…家、来る?」
『…へ?』
「あぁ…いや…飯!飯作ってやるから食べに来いよっていう…その…」
初めは固まったままで、あまり状況がわからなかった栞であったが、
『…ふふ。じゃあご馳走になります。』
そう言ってニコッと笑った。
「!//////…んじゃ行くぞ。」
『うん!』
『お邪魔します。』
ここが…大ちゃんの部屋…
正直緊張していた。
『何か手伝う?』
「あぁ…別に大丈夫だ。栞はそっちでゆっくりしててくれ。」
『じゃあお言葉に甘えて。』
周りには余計な物は一切なく、片付けられていた。
『…あら?』
テレビの下のスペースに月バスと一緒にある雑誌。
あれは自分が写っている雑誌であった。
『大ちゃん…毎月買ってくれてるんだ。』
「おまたせ。」
『うわっ良い匂いだね!いただきまーす。』
「おう!」
『ふう…ご馳走さま。』
「お前、意外と食うよな。ビックリしたぜ。」
『大ちゃんに言われたくないわー。』
すると急に火神の顔から笑顔が消え、真剣な顔になっていた。
「…………あのよ。」
『…うん?』
「お前…やっぱまだ青峰の事好きなんだろ。」
『ー!!』
『…なんで?』
「いや、なんとなく…なんだけどよ。」
『そう………私もよくわからない。でも青峰君の事を考えると辛いっていう事は自分でもわかる…忘れたい。忘れられたらどんなに楽だろうって何度も思った。でもさ、簡単じゃないんだよねーこれが。』
「なぁ…栞。黒子は人には聞かなくても良い事があるって言っていた。でも俺は限界だ。お前ら中学の時何があったんだよ…」
『…テッちゃんは優しいなぁ…ふぅ…
わかった、良いよ。教えてあげる。』