橙色の彼女

□第7話 私の練習メニューと私のデータを渡してあるんだよ?
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第1Qが終った。

「青峰君!やっぱり聞いて!このままじゃ…」

「うっせーよ、さつき。」




…黄瀬、強くなったな。

そして栞…






「読みは出来てるはずなんやけどなぁ…それを上回るスピードで動いてくるんや。」

「おそらく…しーちゃんです。」

「海常のマネージャーの橙川栞…ですか?」

「はい。しーちゃんは選手のデータが完璧にわかるため、その人に合った練習メニューを作る事が出来ます…」

「なるほど…厄介ですね…」







『涼ちゃん、大丈夫?』

「全然平気っすよ。」

「しかし、あのDFはキツイな。栞の練習メニューのおかげで今はギリギリかわしているが…」

『それに…青峰君は尻上がりに調子を上げて行くタイプです。そして上げるなら…そろそろ。』




ビィィィーー!

ー第2Q始めます

栞はポケットからキャンディーを取り出した。

『今日はイチゴ!』

そしてパソコンを開き情報を打ち込んで行く。






青峰はさっきよりスピードも早くなりどんどん桐皇に点が入る。

『青峰…君…』

いつの間にか手が止まっていた。

最後に彼のバスケを間近で見たのはどれくらい前だろう。

相変わらず読めない動きをしてくる。

栞は青峰のバスケをしている姿に目を奪われていた。

こんな事…
いけないってわかっているのに。

彼の姿を追ってしまう…



ー海常高校タイムアウトです

「いいか、早い展開は向こうの十八番だ。向こうのペースに合わせるな!あとインサイド…」

「監督…」

『…』

「試合前に言ってたアレ、やっぱやらせて欲しいっす…」

涼ちゃん…

『涼ちゃん。やっぱやるんだね。』

「そのための体作りも一応したじゃないっすか。」

『そうだね。じゃ、これ受け取って。』

何枚かの紙を黄瀬に渡した。

「…これは…!?」

『私がまとめた青峰君のデータよ。動きや特徴、細かい所まで調べたから…これを参考にして。』












第2Qも終わり控え室に戻っていた。

「ちょっと表出てきていいっすか?」

「あぁ…すぐ戻れよ。」

『私も飲み物補給して来ます!』

急いで控え室を出て補給しに行った。

大丈夫…

涼ちゃんならきっと…


きっと出来る!

そして

第3Qが始まった



…どうやら向こうもわかったみたいね。涼ちゃんが青峰君のコピーをしようとしてる事に。

結構時間かかると思ってる?


残念


「ついに黄瀬が…エース青峰を…」


私の練習メニューと私のデータを渡してあるんだよ?


「抜いたぁぁぁぁぁぁぁ!」
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