カラフルDay'S

□26.『いってらっしゃいって…なんで言わせてくれないの…?』
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「茜!高尾!」


『……えっ!?』


私と和成の前に突然現れたのは…


「み、宮地さん!?」


ものすごい形相でこちらに向かってくるのはなんと宮地先輩


『どうして…宮地先輩が…!?』



「どうしたもこうしたも全てあのシスコン馬鹿のせいだろーがっ!!ったくアイツ絶対に殺してやる」


「お…ふ……いや、待って宮地さん。状況がイマイチわかってないっつーか…」


「修造の事は言ったのか?」


「ーーっ……はい…」


和成は俯く。そんな和成に宮地先輩はニコッと笑い、


「おっせぇーんだよ!!もっと早く動きやがれ!!轢くぞ!!」


「イッデ!!」


宮地先輩はそうとうご立腹のようです。まぁ原因はほとんど私の兄、修造のせいなのですが…


「俺もさっき知ったばかりでな。あの野郎…昨日の酒代俺が払ったから返してもらおうと家に行ったら誰もいねぇし…緑間に聞いたらオーストラリア行くだ茜は高尾とショッピングセンターにいるだ本当このイライラをどこにぶつけりゃいーのかねぇー!」


「……(ここまでガチでキレている宮地さんは初めて見る…)」


私もビクビク震えていると宮地先輩は私の肩をガッチリ掴み真剣な眼差しで叫んだ


「馬鹿兄貴を一発殴って目ぇ覚まさせてやれ、茜!」


『………っ!』


「行くよな?修造の元へ」


『はい!!』


私がそう答えるとよく言った!と言って私の頭をガシガシ撫でた


「でも宮地さん!今からタクシー呼んでも来るまで時間かかるし…」


「馬鹿、んな事わかってる。だから緑間が俺に頼んだんだろーが!」


「…へ?」


連れてこられた場所には大きな一台の黒いバイクが


「ま、まさか…このバイク…宮地さんのっすか!?」


「あったり前だろ」


「かっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


だろっ?とドヤ顔で答える宮地先輩。先輩がこんな大きなバイクを持っていたなんて知らなかった…


「茜、これを付けろ」


『は、はい!』


渡されたヘルメットをつけ、バイクの後ろに乗る


「悪いな、高尾。このバイク当たり前だが二人乗りだ」


「わかってますよ。俺は今朝ちゃんとお別れをしたんで……茜をお願いします」


「任せとけ」


『ゴメンね、和成。それと…ありがとう』


「茜、しっかり掴まっておけ。飛ばすからな」


『はい!』


宮地先輩の腰に手を回し、グッと力を入れる。少し先輩の背中にドキドキしたけどそんな事気にしている場合じゃない


今は一刻も早く…お兄ちゃんの所へ行かなきゃ…!























『お兄ちゃん待ってよーイダッ!』


「茜!大丈夫か…?」


『痛いよ………』


「大丈夫だ、茜。兄ちゃんがお前の痛みを全部貰ってやる」


『本当…?』


「あぁ!なんてったって…俺はお前の兄だからな!不可能なんてねぇんだよ」


ーーーほら、おまじないだぞー痛いの痛いの俺に来い!




















『待ってお兄ちゃん…私も行くよ!アメリカに…行く!』


「ダメだ。お前はここに残れ」


『イヤだ!!私も…』


「頼む、茜。俺の代わりにバスケを続けてくれ…」


『ーーっ』


「親父の病気もすぐに治るさ。そしたら早く親父と日本に帰ってくっからよ」


『……本当に?』


「当たり前だろ?なんてったって…俺はお前の兄だからな!不可能なんてねぇんだよ」

















『お兄ちゃん……』


「…………」


ものすごいスピードで空港へ向かうバイク。落ちてしまわないように必死に先輩にしがみついた


『……あ…!!』


「……チッ!」


このまま順調に空港へ行けるかと思っていた矢先に…


『渋滞……!?』


ピクリとも動かない車。ずっと先まで続いているようだった


『嘘どうしよ…このままじゃ…』


空港に間に合わない!!


「………大丈夫だ」


『……え?』


そう私が首を傾げたのと同時に聞こえてきたのは私の知っている声だった











「そこの車動かんといてー…………全く…お巡りさんの言う事は聞かなアカンで?」






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