カラフルDay'S
□20.「……こいつを命がけで…守ってくれる男なら……俺は……」
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「出かけてた、か……まぁまぁ修造。ちょっとくらい良いじゃねーか。な?別に二人は恋人とかじゃねんだろ?」
『恋人!?ち、違いますっ!』
「違いますよ?茜は俺の大事な後輩です」
「…………」
ジッと氷室先輩を見つめたまま…いや、睨んだまま動かないお兄ちゃん
「ま、まぁまぁ落ち着きんしゃいってー……」
「お前ら年一緒だろ?仲良くしろよ、な?」
若干ビビりながら諭す福井先輩と春日さん
『お兄ちゃん!』
もう私が何とかするしか…!!
「………何だ、茜」
『氷室先輩は私の大事な先輩なの!だから……』
「…………………はぁ……わかったわかった。悪かったなヒムロ君。気にしないでくれ」
「いや、こちらこそ誤解を招くような事をしたね。すまなかった」
「同い年だし…これからも宜しくって感じで……どうだ?」
少し照れながら言うお兄ちゃんに氷室先輩はニコッと笑い
「もちろん!…これからも宜しく」
手を握り合う二人
「良かったな……いやマジで」
「……だな」
二人のこの姿を見た私達はとりあえず安心したのだった……
「なぁなぁ、本当にお前ら兄妹仲良いけどよ…小さい頃からそうなんか?」
お店にあったお菓子をバリバリ食べながら福井先輩は質問をした
『仲は…良い方だよね?』
「小さい頃から仲良かったし今も良いっすよ。あの時の茜は「大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるーっ!」ってそれはもう可愛くて可愛くて。まぁ今ももちろん可愛いんすけど」
『きゃぁぁぁぁぁぁぁ////お兄ちゃん!!』
ちょっ…先輩がいる前で何を暴露しとんじゃい!!
「茜は修造の事どうなんだ?」
『わ、私?えっと……そりゃ小さい頃はずっとお兄ちゃんの後ろを追いかけてましたし…憧れというか…』
「「「おぉーーー………」」」
『それに私がイジメられたりしたらすぐ守ってくれて…そのイジメた子にも仕返しをしてくれたよね?ある時は○○したり○○したり…』
「俺はお前を守る事に命をかけてんだ。それくらい当然だろ?」
(((その頃からもうすでに虹村修造という男が出来上がっていたか………)))
改めて怖いと思った4人
「本当に愛されてるな、お前」
『あはは…どうも』
「えっと…虹村…修造君…?」
「あぁ、別に好きに呼んでくれて構わないぜ。ヒムロ君」
「じゃー虹村君。虹村君は茜が大事、なんだよね?」
「あぁ、当たり前だ」
お兄ちゃんはソファーにふんぞり返りながら言った
「じゃー茜にもし…好きな人とかできたら…許さない?」
『えぇっ!?////』
「「「んなっ!?(((氷室ぉぉぉぉお前危ない橋を笑顔で渡り過ぎぃぃぃぃ!!)))」」」
「好きな…人、だと……」
お兄ちゃんは眉間にシワを寄せながら不機嫌そうに言った
「……あぁ、許さねぇな。その男を見つけ次第綺麗にミンチにしてやんよ」
「「「………oh…」」」
「……だが」
お兄ちゃんは私の方へ顔を向けると真剣な眼差しで
「……こいつを命がけで…守ってくれる男なら……俺は……」
そう言い、静かに顔を伏せる
『……お兄ちゃん…』
「かと言って…あまり早く俺の元から離れないでくれよ?」
顔を上げたお兄ちゃんは二カッと笑うが…何処か寂しそうであった
『お兄ちゃん、大丈夫だよ。私はまだお嫁には行かないよ?まだずっとずっと大好きなお兄ちゃんの側にいるから…ね?』
ポカン…としているお兄ちゃんにそう言うと、私は空になったゴミを持って奥の部屋へと片付けに行った
「………修造」
「……んだよ…清志…」
「ティッシュやるから、とりあえず目と鼻から出ている液体を拭きやがれ」
「……わり…サンキュー」
「…あのよ、感動のあまり涙を流すか妹が可愛くて鼻血を流すかどっちかにしろ。お前の今の顔なんかグロい」
「うっせ……」
宮地から渡されたティッシュで拭き取る修造を見て、福井も春日も…氷室も…
茜は本当に良い兄貴を持ったな…
と心から思った
「修造、安心しろ」
「…清志?」
「俺達も茜を守る」
なっ?と宮地が周りに聞くと福井も春日も当たり前だ、と答えた
「虹村君。俺達はいつでも力になるから」
「害虫退治も一緒にやってやるよ」
「そうだな……俺は茜を守ってやれる奴なら良いとは言ったがまだ嫁にはやらねぇ…だから近づく害虫はぶっ潰す…」
「ふふ…そうだね。楽しみだな」
「あぁ…あのカラフルな連中を野放しにしとくわけにもいかねぇしなぁ…」
ははは…と笑い合う氷室、宮地、そして修造に福井と春日はただ黙って震えているしかなかった…
「やっぱ怖いな…茜の兄貴…」
「つか氷室に宮地に…虹村兄貴だろ?これヤバイトリオだって。キセキ勝てねぇよ」
「これである意味より一層ガードが強くなったな…茜の…」
少しキセキに同情する福井と春日であった……
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