カラフルDay'S

□19.「俺があの天才野郎共をすぐに轢きに行ってやる」
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『………えっと…ここ?』


私は目の前にある看板をジッと見つめた


蜂蜜honey


メールボックスを開き、確認する


『あってる…よね……』


よし、と覚悟を決めた私はガチャ…と扉を開けた


『こ、こんにちは……』


「いらっしゃいませ!ようこそ蜂蜜honeyへ………って茜!」


『福井先輩ぃぃぃぃぃぃ!!』


「おまっ!だからいちいち…/////」


「良く来たね、茜」


顔を赤くしながら暴れている福井先輩といつも通りニコニコ笑顔の氷室先輩


『ふふ…まさか先輩の昼の顔が美容師だったなんて!』


そう


前に氷室先輩が言っていた昼の顔とはこれだったのだ


「この美容院に関しては俺が氷室を誘った形になるな」


「俺はまだ技術を磨いている身だから今は主にレジとか掃除とか、やってるよ」


「いやー氷室が居てくれて助かるぜ。三人でやってくのはキツくてさ…」


『三人?』


えっと…福井先輩の他に二人居るって事?


「おっ!可愛い子はっけーん」


『キャッ!?』


急に肩を組まれビックリして声を上げる


「おいおい……」


「あれ?ごめんごめん。ビックリしちゃったっぽい?」


初めまして、だよね?


そう微笑むこの方は…


「俺、春日隆平。君が健介が言ってた後輩ちゃんね」


『あ、はい!虹村茜です!』


ペコッとお辞儀する私に可愛いねーと言って微笑む春日さん


「んで、折角だし…髪カットしてけよ」


『そうですね…最近美容院行って無かったですし…是非お願いします!』


「了解ーじゃあ氷室。案内宜しく」


「わかりました。茜、こっちに座って」


『あ、はい!』


周りには私しかいなかった


お客さんがいないのは嬉しいが……


『今日お客さんいないんですか…?』


「おいおい…何だそのちゃんと儲かってるんですか的な質問は」


そんな事を不機嫌そうに言う福井先輩に違います違います!と私は必死に弁明をする


「まぁまぁ落ちつきんしゃい。今日は実は定休日なんだよーだからお客さんがいないんだ」


『そ、そうなんですか?!』


わざわざすみません……


「……で、あれ?誰が茜の髪をカットするんですか?春日先輩ですか?」


「いやいや…俺ジャンケン負けたし。あっれー?あいつ遅くね?」


『え?あいつ?』


もしかして…福井先輩と春日さん以外の方がカットしてくれるって事?


私は少しソワソワしながら待っていると…


「………わりぃ!待たせた」


『あっ!!』


そこに現れたのは


『宮地先輩!!』


「よっ!久しぶりだな、茜」


高校の時、真太郎と同じ秀徳でバスケ部だった宮地先輩


私とは高校が違うし関わりなんて普通は無いのだが…


「え?お前ら顔見知りなわけ?」


『実は、大学…一緒だったんです』


「はぁ!?」


私が入学した大学のサークルで偶然会ったのが宮地先輩だったのだ


お互い顔は知っていた為、すぐに仲良くなってしまい…


『お久しぶりです。まさか宮地先輩まで美容師になっていたなんて!』


「あぁ、まぁな」


すごいな…この美容院


蜂蜜色の髪のイケメン三人にカットしてもらえるんでしょ?これ女性客ハンパないっすよね、きっと…


「んで、どーするんだ。今日は」


『えっと…3cmくらいカットお願いします』


「まぁ確かにこの長さが1番似合ってるしな」


『あ、ありがとうございます…////』


なんだか歳上のイケメン先輩方に囲まれてドキドキが止まらない私でした……








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