カラフルDay'S

□18.「………僕に逆らう奴はモグラでも殺す」『ワォ……』
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『で、征十郎。これは一体?』


「俗に言う……ゲームセンターという所だ」


『見ればわかります赤司様』


いやいや……


え?もっとオシャレな金持ちしか入れないようなお店に行くのかと思ったら


え?ゲーセンっすか?しかもあの征十郎が?


『征十郎何故…ここを?』


「ゲームセンターという所にあまり行った事が無いというか…興味があったんだ」


『あ、うん。なるほどね(行った事無いんだね。さすがや…)』


なんだか今日の征十郎は可愛いなぁ…


まぁたまには良いか。20歳超えている大人がゲーセンでキャーキャー騒ぐのもアレだが…


学生の時の征十郎は後半荒れていたからな(色々な意味で…)


『じゃ、行きましょうか。色々教えてあげるよ』






















『んで、何かやりたいのあったりする?』


やっぱり学生が多いな…あ、でも成人もいるし。大丈夫、目立たない


「あれは…」


『んー?あぁアレは…モグラ叩きね』


懐かしいなぁーよくお兄ちゃんとバトルしたっけ?


『んじゃーモグラ叩きやろっか。まず私が手本を見せるから見てて』


久しぶりに本気を出しますか!


5分後………


パラパッパラー!


『よっしゃー!』


見事記録更新。あとでお兄ちゃんに自慢しよーと思いながら、征十郎にハンマーを渡した


『次は征十郎の番だよ』


「………よし」


モグラ叩きの台の前に立つ征十郎。さーてどんなもんかな、と思った次の瞬間


「………俺に逆らう奴はモグラでも殺す」


『ワォ……』


もう一人の征十郎が出て来ちゃってる出て来ちゃってる


モグラよ、逃げろ。今すぐに


5分後………


パラパッパラー


「記録更新されたみたいだな」


『そうね』


本気でモグラを殺す勢いだったよね?ものすごい勢いで叩かれているモグラちゃん達が可哀想に見えて仕方がなかったよ…


イテッ☆


みたいな声出してるけど、本当は絶対に


イッデェェェェェェェェェェェェェェ!!!!


くらいの気持ちだったと思うな。モグラよ、お疲れ様です


「どうかしたのか?」


『いやモグラがね…………じゃなくて、何でもありません』


「?」


まぁ切り替えて…次行こう、次。ゲームセンターの中を適当に歩いていると


『あ、これ可愛い』


可愛いウサギのぬいぐるみがあった。もちろん、UFキャッチャーの中だ


「あのウサギか?」


『うん』


「とってあげるよ」


『え!?本当!?………あ、でもやり方わからないよね?』


「ここの入り口から手を突っ込んで……」


『それは違うよ!!』


あ、やべ。ダンガン○ンパの苗○君みたいにツッコんじゃった…


じゃなくて!


『ここのボタンで操作して……そしたらあれがキャッチするから……』


5分後………


「意外と簡単だな。はい、獲れたぞ」


『あ、うん』


一発で決めやがった。なんだこのチート的な強さは


あ、赤司様だからか。そーかそーか


そしてその後も……


ーーリズムゲーム


「フルコンボの記録更新だドン☆」


「お、これ楽しいな。またこの曲でやろう」


『進撃の○人ね』


「あの人類最強のリ○ァイと僕が戦ったらどっちが勝つと思う?」


『人類最強vs人類最強じゃ勝負つかないんじゃない?』


ーーリズムダンスゲーム


パラパッパラー


「こんなもの俺にとっては朝飯前だな」


『あれ?征十郎ってダンス上手だったっけ?』


ーーゾンビゲーム


「俺に逆らう奴はゾンビでも殺す」


ババババババババババババッ!!


ギャァァァ!ウギャァァ!


『……これ私いらなくね?』


ーーコインゲーム


ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ………


「コインがゴミのように溢れ出てくるな」


『あれ?機械故障してるのかな?』


ヤバイ、征十郎がチート過ぎてついていけないよ……


『楽しい?』


「あぁ楽しい」


征十郎が楽しいならもう良いや


『ねー征十郎。最後にアレやろ!』


「何だあの四角いBOXは…」


『プリクラ、だよ』


ほら入って入ってーと征十郎の背中を押しプリクラ機の中に入る。さーて、色々設定して…


『はい、笑って!』


「は?笑う?」


『うん、ほら写真撮るよ!』


3、2、1………


パシャ!
















「今日はなかなか楽しかった」


『それなら良かったわ』


「この写真はどうすれば良いんだ?」


『どっかに貼っても良し、とって置いても良し。征十郎の好きにしたら?私は……』


じゃーん☆と征十郎に携帯を見せる


「携帯にも貼れるのか…」


『まぁね』


はぁ…今日は本当に楽しかったなあ…


思えば、あの時街で偶然征十郎に会って…………………


あれ?あれ?私何で街に……


『あ、』


はーい、忘れてました!


『征十郎!』


いつ渡すの?今でしょ!


「……どうした?」


『これ!』


そう言って小さな紙袋を征十郎に渡す


「………これは…」


『お誕生日おめでとう!それは私から征十郎へのプレゼントだよ』


かなり驚いた顔の征十郎


「開けて良いか?」


『うん』


紙袋から出てきたのは……赤いブレスレット


『ゴメン、征十郎の欲しい者が何か全然想像つかなくて……その時目に入ったのがそのブレスレットでさ。ふつーにきれいだなぁ…と思って』


「…………」


征十郎はブレスレットをジッと見つめたまま動かない上に何も喋らなくなってしまった


『あの……征十郎?』


やっぱり気に入らなかったかな…と私が落ち込んでいると、フワッと優しく征十郎に抱きしめられた


「ありがとう。今までで一番嬉しいよ」


『ほ、本当?』


「あぁ。ありがとう、茜。大切にするよ」








自分が抱きしめられている事に何故か何も違和感を感じなかった










その代わりに寒かった身体が少し暖かく感じたような気がした







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