カラフルDay'S

□8.『クッキーは食べる物であって飾る物じゃありません!』
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「ん?どうした、茜」


『あの、お願いだから食べて下さい』


「え?」


『クッキーは食べる物であって飾る物じゃありません!』


やめてよ、クッキー飾るって…色々怖過ぎだから!


「しかし…もったいなくて食べられない…」


『そんなので良ければ毎日作ってあげるから!』


「………本当か!?」


『あ、いえ、毎日はちょっと…週に1、2回とかなら…それで良い?』


「にょーん」


『よし、わかってくれれば…………にょーん?』


え、今にょーんって言った?………にょーん?


征十郎…が…にょーんと今言ったのか!?(←しつこい)


どうしたんだいったい!!


征十郎は「はい」と返事しないで「にょーん」と返事をするのか!?


「絶対勘違いをしてるな、俺じゃない。茜の足元をよく見ろ」


『足元?』


私の足元には白い塊……いや、これは…


『ね、猫ぉ!?』


「にょーんにょーん」


『か、可愛い…』


うわぁ…毛並み良過ぎない?サラサラしてるよ。目もクリッとしちゃって!ただ不思議な鳴き声ね…


『あれ?でもここマンションじゃない。ペット大丈夫なの?』


「あぁ、このマンションはペットOKなんだ。」


猫ちゃんは小さな足で征十郎の元に行き体をスリスリしていた。可愛いよ…可愛い…


『でも征十郎が猫だなんて…意外だよ。確か犬の方が好きじゃなかった?』


「確かに従順な犬の方が好きだが猫もなかなか良いというのも最近わかってね…実はこの猫は
捨て猫なんだ。」


『えぇ!?そうなんだ…』


「初めは俺も拾うつもりは無かったんだが、ずっとこの猫を見つめていたらほっとけ無くなって。俺の大切な…あの人にそっくりな目をしていたから…」


『征十郎…』


今日は征十郎の意外な優しさを知る事ができたようだ


『征十郎にも大切な人がいるんだね。きっと素敵な人なんだろうなぁ…』


「ではヒントを教えてやる。知っている人だからきっとわかるさ………その人は髪が綺麗な黒色で、怒ると結構怖いし口も悪くなるが仲間思いで優しい人だ」


『綺麗な黒髪に…怖いけど優しい人…』







ピンポーン………






あら?お客様?


っていうか私そろそろ帰った方が良いのかな?


「…全く、いったい誰だ」


ガチャ…


「「「「「茜(さん!)(っち!)(ちん!)!!」」」」」


『ありゃ?』


そこには何故か息を切らしながら私の名前を叫んでいるテツ君達…なにかあったのかな?


「茜っち!無事っすか!?」


『は?』


「赤司の野郎に何かされなかったか!?」


『いや、お前じゃあるまいし』


なんだかよくわからないけど、私の事を心配して駆けつけてくれたようだ。


『でもなんで私がここにいるってわかったの?』


「二号のおかげです」


とテツ君が言うとテツ君の足元から見覚えのあるワンちゃんがひょっこり顔を出した


『二号!!へぇーまだ生きていt「それは言わない約束です」……了解しましたー』


チラッと征十郎を見るとなんだか怒っているような顔つきだった……もしかして私がまだ答えてないからかな?やべっ…えーと…黒髪…怖い…優しい…





わかっちゃった!!


『征十郎!さっきの答えわかったよ!!』


「!!本当か!」


『うん!征十郎の大切な人って…………お兄ちゃんでしょ!?』


「……は?」


「????」←状況が全くわからないキセキ達


『黒髪だし…お兄ちゃん怒ると怖いけど本当はとっても優しいし!ね?当たり?』


「……もういいや、それで」


赤司は思い出した


茜と虹村先輩は立派な兄妹だった事を


そして今まで何度もアピールしても全く気が付きもしないその鈍感さを……








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