カラフルDay'S

□8.『クッキーは食べる物であって飾る物じゃありません!』
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日曜日


『んー!さて、今日は何しようかなぁ…そうだっ久々にクッキーでも焼きますか!』


私は台所でガサガサとクッキーを作る準備をしていると、付けっぱなしにしていたテレビから聞き覚えのある名前が聞こえてきた




「今回もなんと赤司征十郎さんが優勝しました。今回の大会でも最年少優勝という事で将棋業界では注目がますます高まって……」


『あ、征十郎…また優勝したんだ…』


また勝ったのか


あの人いつになったら敗北を知る事が出来るんですか?一度でいいから負かしてみたいな…


『でも優勝はやっぱりすごいや。よーし、優勝祝いにクッキーをあげよう!』








ピンポーン……


『あれ?』


ピンポーン……


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン………


『うん、残念ながらいないな』


「インターホン鳴らし過ぎ。うるさいぞ」


『あ、征十郎』














『おっじゃまっしまーす!』


「今お茶を入れるからそこに座っていてくれ」






はい、只今私は征十郎の部屋にいます。ぶっちゃけ、他の人達より一番気になる部屋の中……


今日はじっくり見ていきますよ!


早速入り口に大きなツボを発見。これはアレだよね、パリーンと割ってしまったら実はめちゃくちゃ高かったみたいな…絶対に触れちゃヤバイツボだよね!


次に見つけた…というか目に入った光景は畳の立派な和室。あれ?このマンション洋室だよね?
わぁ…茶室まであるよ…


「お待たせ」


征十郎はお茶を机の上に静かに置くと私の向かい側に座った


『い、いただきます……』


初めはノリノリだった私


でも今は…なんとなくこの空間に恐怖を感じる…いや、なんとなくよ


結論
うん、すごいや。やっぱり征十郎は征十郎のままだったよ…


『あーそうそう、こないだ優勝したんだって?』


「まぁ当然だろう」


『あ、はい。それで優勝祝いにクッキーを焼いたんだけど…』


私は手に持っていた包み袋を机の上にそっと出した


「これを…俺に?」


『うん…』


あ、ヤバイ。やっぱりクッキーはまずかったか……?


「ありがとう。とても嬉しいよ」


『え…?本当!?』


よ、良かったぁぁぁぁ!!


「さて…どうするか…」


『ん?何が?』


「このクッキーをどこに飾ろうかと。やはりショーケース等にきちんと入れて保管すべきだろうか…」


『…………』







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