カラフルDay'S

□7.「あーん!!」『え…えぇ!?マジでやるのか!』
2ページ/2ページ



『どお?美味しい?』


「おいしー!」


「あ!それ私のイチゴ!!」


「へっへーん!早い者勝ちだよ!」


「うわぁーん!茜せんせー!陽君がぁー私のイチゴー!」


『はいはい…先生のイチゴあげるから…』


ケーキは園児達にも大好評!みんなでワイワイと食べていると…


「せんせー!大きなお兄ちゃんが来たよー!!」


『本当!?』


入り口に行くと両手にケーキの箱を持っている敦がいた


『待ってたよ、敦!』


「ごめーんちょっと遅くなっちゃった。はい、これ。」


『…?ケーキ?』


「こっちは焼きたてアップルパイ。アイスクリームもあるからのせて食べると美味しいよー。んで、こっちは俺の新作ケーキ。茜ちんに是非食べて欲しいんだー!」


マ、マジでか!?


甘いものが大大大好きな私にとっては夢のような事であった。















『はい、みんな!敦お兄ちゃんにお礼を言いましょうね!せーの!』


「「「敦お兄ちゃんありがとー!!」」」


「…まぁ別に………(茜ちんの為に持って来ただけだしー……)」


『?どうかした、敦?』


「うーうん、なんでもー」


「せんせー!この綺麗なケーキ食べてもいい!」


指をさされた方向を見ると…


それは敦が新作だと言っていたケーキであった


「これ食べたいー!!」


『えぇ…とこれは…』


「………………め…」


『敦…?』


敦がワナワナ震え出した…もしかして怒ってる?


「だめったらだめぇぇ!!コレを食ったガキは捻り潰す!!……はい、茜ちんあーん!」


『え?え?』


び、ビックリしたぁ…いきなり大声出されちゃったら…子ども達も泣くのを通り越して固まってるよ…


まぁでも、敦が折角私にくれたケーキだしな…


『このケーキは先生のケーキです!みんなはそっちのアップルパイ食べて良いからね?ほら、
アイスクリームをのっけて…』


「はぁーい!あっ!こっちもおいしそー!!」


一旦、解決…したかな?


……あれ?敦がずっと私の事を見つめてるんですけど…


『敦?』


「あーん!!」


『え…えぇ!?マジでやるのか!』


あ、目が本気だ…これはやるまで終わらないな…


でも新作をいち早く食べさせてくれるわけだし…まぁ一番付き合いの長い敦だし…


『わかった!ちょーだい?』


「わぁーい!はい、あーん!!」


『あーんんっ美味しい!!』


うっまぁーー!!


なんだろ…生クリームもフワッとしてて、かと言って甘すぎるわけでもなくて…


『これすごく美味しい!商品に出しなよ!』


「本当!?あーでも何か意見ある?もっと改善した方がいい所とか…」


『そうね…しいて言うなら…もう少しケーキ自体を華やかにしたら?少しフルーツをのせるとか…』


「おぉーなるほど…」












そしていつの間にか時間はあっという間に過ぎていき…


『敦、帰ろ。』


子ども達はみんな家に返っていた。ここには私と敦しかいなかった


「もうそんな時間…待ってー今荷物まとめるからー」


机の上にはケーキのイラストやレシピ。ずっと考えてたんだね…


『敦が一生懸命頑張ってる姿なんて…レアかも!?ふふ…』


「は、はぁ!?俺だってやる時はやるし!……あのさ、これからも俺の新作を食べて欲しいなーんで、茜ちんの意見欲しい!」

『…私で良いの?』


「うん!俺達一番の仲良しじゃん!」


『敦…うん、任せて!!』


新たな友情が芽生えた瞬間である…と、思っていたのは私だけで…






(…茜ちんに会える口実が出来ちゃったー!)







前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ