カラフルDay'S

□5.「うるさい、早くよこせ。」『真太郎!?』
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『あっ!真太郎!美穂ちゃんは…!?』


「落ち着け茜。」


診察室から出てきた真太郎に私は飛び込んでいった


「解熱剤を打っておいたからもう大丈夫だ。ただまだ安静にしなくてはならないから、今日は家に帰らせるのが一番だと思うのだよ。」


『………良かった…』


急に力が抜けてまたベンチに座り直す。その隣に真太郎も黙って座った


「それにしても…珍しいものを見たのだよ。」


『珍しいもの?』


「茜がそんなに取り乱した姿を見たのは初めてなのだよ。」


『あぁ…そりゃ大事なお子さんを預かっているわけだし…子ども達を守るのが私の仕事だから。』


「ふっ…やはり変わらないな。俺は茜のそんな所は嫌いじゃn


ガラガラ…!


「おっ!茜せんせー発見!」


勢い良く開けられたドアから出てきたのは高尾君と高尾君に抱っこされた美穂ちゃん


『美穂ちゃん!』


「せんせー…」


『具合はどう?』


「大丈夫だよ、心配させちゃってゴメンなさい…」


高尾君の手から離れて私に飛びつく美穂ちゃん。私は優しく頭を撫でてあげた


「いやー良かった、良かった!……まぁ緑間せんせー様にかかればこんなの…ってあれ?真ちゃーん?どったの?」


「覚えておけよ…高尾…」


「えぇ!?なんで!?」


『ほら、美穂ちゃん。先生達にお礼を言わなきゃね。』


「はい!茜せんせー!」


美穂ちゃんは可愛くペコっとお辞儀をすると


「ありがとーございました!」


ニコッと笑った







『それじゃー私達はこれで…』


「あ、ちょっとタンマ!」


高尾君はポケットをゴソゴソとあさると小さな飴を一つ取り出し美穂ちゃんに渡した


「はい。痛ーい注射頑張ったもんな!これは頑張った美穂ちゃんへ和成お兄ちゃんからのご褒美だぞー!」


「わーい!ありがとう、かずなりお兄ちゃん!』


わぁ……


なんて言うか、こーいう所抜かり無いよなぁ高尾君って…


『相変わらずHSKですね。』


「ん?どうかした?」


『いえ、こっちの話。』


「あーそうだ。ねぇ茜ちゃん…俺の事、真ちゃんみたいに下で呼んでよ。か・ず・な・りって☆」


『え?良いの?じゃー私も呼び捨てで呼んでもらって構わないから!』


「マジでー!ひゃっほーい!」


「……何を話しているのだよ。」


「ぷくく…ざんねーん!真ちゃんには秘密!」


「………怒」








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