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□No.20 優しさ
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「好きだ」


『………っ』


まっすぐミラを見つめる三白眼に身体が固まる


『…ちょっと、やめてよ。そういう冗談笑えないから』


「冗談ではない」


『……っ!や、やめて…私なんか…好きになっても、』


面倒くさいだけ


『育ての親はあんなクズだし、アイツら本当に調査兵団に対して何をしてくるかわからないし。そんな女の面倒なんて見てたら…リヴァイも…』


「はぁ?俺がそんな豚共に怖気付くと?」


『………別に負けるとは思ってないけど…これ以上迷惑はかけたくないし』


「…………はぁ…」


唇を噛み締めるミラにリヴァイはため息をつくとそっとミラに近づき、


「考えすぎだ、馬鹿」


そう言って優しく頭を撫でた


「迷惑かどうかはお前が決める事じゃねぇ」


『……………』


「少なくとも、俺は今迷惑だなんて思っていない。それはナーシーやエレン、そしてミカサも同じなはずだ。だからお前を皆助けに来た」


リヴァイの優しい手つきに目に涙を浮かべるミラ




























「………もう少し素直になれ。元貴族のお嬢様よ」































『…………………んっ』


カーテンから漏れている光で目を覚ます


昨日アレから……どうなったんだっけ?


記憶が…………………


『………………ん?』


ガバッと起きる。部屋をグルッと見渡すが…間違いない


『私の部屋じゃ…ない?』


何故?自分の部屋じゃない?てかこの部屋…誰の?












「目が覚めたか」


『!?!?』


バスルームのドアが空いたのと同時に聞こえてきたのはもちろんあの男


シャワーを浴びていたのか、上半身裸でタオルを頭にのせたままシレッとした態度で現れた


『リ、リヴァイ!?これは…一体…』


「あぁ?テメェ覚えてねーのか。昨日アレから食堂で急に倒れやがって…」


『え、倒れ…た?』


「急にだったからな。俺も流石に驚いたんだが……耳を澄ませば幸せそうに眠るテメェの寝息しか聞こえねぇ」


『あ…あはは…すみませんでした…』


ミラを担いで部屋に運ぼうとするも鍵が掛かっており…仕方なく自分の部屋まで運んだ、とリヴァイは少し不機嫌そうに答えた


ミラは恥ずかしい気持ちと情けない気持ちでいっぱいになり、顔を両手で覆った


「まぁ…でも」


『…?』


リヴァイはベッドに腰掛けると


「マヌケな寝顔が見れたから、全て水に流してやろう」


そう言ってニヤッと笑う男にミラは少し赤面するのだった














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